ダミラノ社はバローロの中でも100年以上の歴史を持つ伝統的なワイナリー。単一畑「カンヌビ」はスタイルとエレガンスの点で並外れた、全てのバローロの要素が詰められていると言われる歴史的で偉大な畑。チェリーとプラムのフルーティな香り、柔らかなタンニンと幅のあるフルボディで、調和のとれた心地よい味わいのクリュバローロです。

400年以上もの歴史を誇る優良畑カンヌビを4分の1所有するダミラノ社

2022年11月に輸出マネージャーのトーマス クーニ氏にお話を聞きました。

「バローロエリアで一番大事なカンヌビ畑です。カンヌビという名前は、1600年代からありまして、バローロは、その後にエリアの名前として知られていました。それまでは、カンヌビ ネッビオーロと呼ばれていました。かつてカンヌビ近くのお城に住んでいた王様は、所有するカンヌビの畑で造ったワインを飲んでいたそうです。ダミラノ社が所有しているのは、全42ヘクタール中の約10ヘクタールです。25の生産者しか所有していません。45％が砂質土壌で、エレガントなワインができます」

樹齢30-50年の樹からネッビオーロを収穫

単一畑「カンヌビ」の南もしくは南東向きの区画。砂45％、シルト35％、粘土20%の非常に砂の割合が高い土壌。樹齢30-50年の樹からネッビオーロを収穫。20日間のマセレーション発酵。20-100HLの大樽で24ヶ月熟成を行っています。ルビーレッドにマロンやオレンジが混ざったような色合いと、チェリーやプラムのクリアな果実香、タバコやリコリッシュ、カカオなどのハーブの香りを持つ、豊かで包み込むような香り。柔らかなタンニンで幅のあるフルボディ。持続性のあるフィニッシュで調和のとれた心地よいドライな味わい。

最古の畑『カンヌビ』の大地主

カンヌビという畑の名前は、バローロが存在する以前から特別な畑でした。現存するネッビオーロ最古のボトルが、ブラ村のマンゾーネ家が所有するカンヌビ1752年です。これはバローロが登場する100年以上も前になります。クリュを正式に名乗るようになったのは2010年の事。ブルゴーニュに倣ったものの、突然階級を定める事を政治的に嫌い、全てのクリュが並列に扱われる事になりました。実力的に言えば、カンヌビがグラン クリュである事は、疑う余地もありません。ダミラノ社では、このカンヌビの区画に約10ha（カンヌビを名乗れる区画は合計で46.8ha）を所有する大地主なのです。

ダミラノ社はバローロの中でも100年以上の歴史を持つ伝統的なワイナリー。1890年にラ・モッラ村とバローロ村の境に、ジュゼッペ・ボルゴーニョによって創立されました。創立当初の名前は、『ボルゴーニョ』という名前でしたが、1935年にジュゼッペ・ボルゴーニョの義理の息子である、ジャコモ・ダミラノがワイナリーを引き継ぎ、その際に、親戚のボルゴーニョ社と混乱しやすかった事もあり、ダミラノへとワイナリーの名前を変え、新たな歴史を刻むことになりました。

1997年に、パオロ、マリオ、グイドの3兄弟に引き継がれた際、著名醸造家であるジュゼッペ・カヴィオラ氏を醸造コンサルタントに迎え、さらに名声を高める事に成功。2001年にはラ・モッラ村にミシュラン一つ星のリストランテ『マッシモ・カミア』の経営を開始し、伝統的なピエモンテ料理とダミラノのバローロコレクション（豊富なバックヴィンテージ）とを楽しむ事ができるようになっています。

長い歴史がある事の強みは、何といっても多くの優れた畑、区画を所有している事。ダミラノ社は、チェレクイオ（ラ・モッラ村）、ブルナーテ（ラ・モッラ村）、カンヌービ（バローロ村）、リステ（バローロ村）ブッシア（モンフォルテ・ダルバ村）と言った、同業の生産者も羨むほどの畑、それも良い区画を所有しています。