200年以上ピノ ネロ栽培の歴史を誇るマルケ州フォカーラ地区を代表する造り手ファットリア マンチーニがアルバネッラとピノ ネロで造る白「ロンカリア」です。爽やかでミネラル感あふれ、心地よい果実味と塩味が癖になる飲み心地抜群の瑞々しい味わいです。

サブゾーン「ロンカリア」を名乗る唯一の造り手

ワイン名のロンカリアは、コッリペサレージDOCのサブゾーン名。この名称を冠したワインはファットリアマンチーニが唯一の造り手です。ここは、土着品種アルバネッラが伝統的に造られてきた土地であり、最も栽培に適したエリアです。マンチーニ家は、1970年代からアルバネッラとピノネロをブレンドして「ロンカリア」という名前でワインをリリースしてきました。その後、1994年になりコッリペサレージDOCの中のサブゾーンと正式に認められ、「コッリ ペサレージ ロンカリア ビアンコ」が誕生しました。

アルバネッラの個性を保つため、醸造は全てステンレスタンク

アルバネッラは9月中旬、ピノネロは8月末に収穫。アルバネッラの独自性、個性をワインに表現するため、醸造はステンレスタンクで行います。ブドウを低温に保ったまま全房のままソフトプレス。ステンレスタンクでアルコール発酵。マロラクティック発酵は行いません。その後、4か月間のシュールリー。清潔感のあるアロマ。ミネラルと塩味を感じる味わいが爽やかな柑橘系のニュアンスとともに口の中を広がります。どこまでも瑞々しく、伸びやかな酸。爽やかさと果実の豊かさも感じられる上質感あふれる味わいです。

ファットリア マンチーニ社は200年以上続いている家族経営のワイナリー。現当主のルイジは5代目になります。1810年に、ナポレオン政府から取り寄せたピノ ノワールを植えた事が記録に残されています。当時から、この土地がピノ ノワールに適している事を知っていたのだとルイジは云います。通常、マルケ州は粘土質土壌が主体ですが、ここは石灰質や砂が多く痩せた土地。また、海からの影響を受ける冷涼な気候の為、ピノ ノワールに適しているとの事。また、ミラノ大学の研究により、200年の歳月の中で変化し、適応を繰り返してきたここのピノ ノワールは、ブルゴーニュのクローンとも異なる独自の物とのこと。正にこの土地の土着品種です。

エミリア ロマーニャ州とマルケ州の境い目に位置するペサーロは、フィレンツェよりも緯度が高い北緯43.9度の海岸沿い。石灰の砂岩土壌はもろく、海からの浸食で、丘が削りとられているのが確認できます。このままだと、どんどん海岸線が内陸に寄って行ってしまう恐れがあります。イタリア政府は、この地域をサン・バルトロ山州立公園に定め、ここの自然を保護すると共に、海岸線の保護に努めています。通常、自然公園内では、農作業するには許可が必要となりますが、マンチーニ社は反対に、この公園内で農作業をする事を義務付けられています。畑がある事によって、崖が崩れるのを抑制している、というのがその理由です。

マンチーニ社のフラッグシップでもある「インペロ ブラン ド ノワール」は黒葡萄のピノ ノワール（ピノ ネロ）100％で造られる珍しい白ワイン。本来は偉大な赤ワインになるピノ ネロは果皮が薄く、繊細。収穫した葡萄は、かごの中で自らの重さで押しつぶされてしまうと、皮の色が付いたジュースとなってしまう。これを防ぐ為に、マンチーニ社は葡萄を冷却する冷蔵庫とプレス機を畑内に運び込み、収穫後に畑内で冷却とプレスを行ってしまいます。努力の結晶であるこの白ワインは、1998年から生産され、瞬く間に有名になりました。