カステルロッチはカタルーニャ州ペネデスに位置しています。現オーナーはマルセル サバテ コカ氏。彼の祖父の時代にはブドウは販売するのみでした。1979年に父がこの土地でしか造れないワインを造ろうと、自家畑でワイン造りを開始。2009年にマルセルが4代目として引き継ぎました。カステルロッチの名前は「赤土の土地の城（カステル=城、ロッチ=赤土）」を意味しています。スタンダードレンジを「カステルロッチ」名義でリリースし、上位レンジは「サバテ イ コカ」名義でリリースしています。

自然を守るため、殺虫剤は使わず、化学的なものも最低限の範囲で使用

カステルロッチは全て自家所有の畑で40haあり、66の区画で18の土壌から構成されています。栽培はグリーンハーベストや葉を落とす作業、草を取る作業（樹齢7年目まで）、収穫など全て手作業。自然を守るため、殺虫剤は使わず、化学的なものも最低限しか使いません。自然のサイクルと月の満ち欠けはリンクしていると考えており、ブドウの選定、施肥、収穫、瓶詰なども月の満ち欠けに沿って行います。羊を飼い、雑草を食べてもらい、糞は肥料にしています。

パズルのピースのように64種類のタンクをブレンド

カステルロッチは自家畑のブドウのみを使ってカバを造る、数少ない作り手です。ペネデスにカバの生産者が200社余りありますが、自家畑のブドウだけで造っているのは30社に過ぎません。テロワールにとことんこだわっており、醸造にはテロワールと区画で分けた64種類のタンクがあり、これをブレンドして、スパークリングを造っています。手間はかかりますが、区画毎にワインを造ることはとても大切で、それらをパズルのピースのように組み合わせ仕上げていきます。これほどまでに分散したテロワールに合わせた造りをしている生産者は、ペネデスにはいません。

オーダーが入ってから、デゴルジュマン

セラーは地下13mにあり、冬は12度、夏でも15度で、瓶内二次発酵には最適の温度となっています。珍しいことに、専用の機械を使って年に1回ボトルをシェイクします。澱を撹拌することで、細かく小さな泡が出来、クリーミーな味わいを与えることが出来ます。オーダーが入ってから、デゴルジュマンします。出荷前にすることで、フレッシュな風味が残ります。味のタイプとしては、ブルット ナチュレと若干のブルットしか造っていません。ドザージュ無しでも充分果実味があるためです。一方、他の多くの産地ではドザージュ無しでは味わいが薄くなってしまいます。

質の高いスパークリングを訴求する「コルピナット」に所属

「コルピナット」はスペインのペネデスで生まれた伝統的製法によるスパークリングワインの高い品質を、もっと広く認識してもらおうという目的のもと、2015年にペネデスの6つの生産者で組織されました。D.O.ペネデス内で100％オーガニックで栽培されたブドウを、手摘みし、完全にワイナリー内の設備で生産されなければならないなど、厳しい規定を設け、広い地域ではなくペネデスだけから高品質なワインを造ることを主眼とし、他のスパークリングワインとの差別化を図っています。現在は9つの生産者が所属しています。現在カステルロッチは、コルピナットのメンバーのひとりです。そのため、カステルロッチのワインはD.O.カバではなく「Corpinnat」とラベルに表示があります。