モンタルチーノでもっとも古い歴史を持つ造り手ファットリア デイ バルビの顔ともいえる“青ラベル”ブルネッロ ディ モンタルチーノ。1892年から造り続けている、まさにブルネッロの歴史を象徴するワインです。2016年は『ガンベロロッソ2022』で最高賞トレビッキエリ、『ジェームズサックリング』95点、『ワインアドヴォケイト』94+点の高評価を獲得しています！

『ジェームズサックリング』95点（2016ヴィンテージ

「プラム、チェリー、フラワー、サンダルウッドのアロマ、歯ごたえのある洗練されたタンニンと長く風味豊かなフィニッシュ。しっかりとしたストラクチャーと強さ。あと3、4年経つと飲み頃を迎えるだろう。 2025年以降がおすすめ。（2020年11月）」

『ワインアドヴォケイト』94+点（2016ヴィンテージ）

「ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2016は繊細で優雅なワインだ。ヴィンテージによる直線性、パワーが見られるが、フローラルトーン、明るいラズベリー、トーストしたアーモンド、瞑想的なブーケを形作る薬草の遊び心のあるタッチも感じられる。それらの明るいアロマのニュアンスに続き、シルクのようなタンニンと柔らかく洗練されたフルーツフレーバーが来る。160,000本も生産されているため、ブルネッロを手に入れるには安泰だ。特に、比較的アクセスしやすい飲み頃のボトルを探している場合はなおさらだ。飲み頃2023-2038年。（2020年12月）」

ゆうに30年は熟成出来るブルネッロ

2016年11月、バルビ社の輸出部長であるラファエラ　グイディ　フェデルゾーニ女史にお話を聞きました。「バルビにとって一番重要なブルネッロで『青ラベル』と呼んでいます。3年間の大樽熟成の後ステンレスタンクへ移し品質を安定させてから瓶内熟成を経てリリースします。2010年は素晴らしい年で落ち着くまで時間がかかりました。今ようやく安定してきています。ゆうに30年は熟成出来るワインです。」と教えて下さいました。

長期熟成と有機栽培から産まれるクラシカルなブルネッロ

バルビが造るスタンダードブルネッロは熟成に48ヶ月間かける長期熟成と1960年代から実践している有機栽培から産まれたクラシカルな味わいが特徴です。そして、「手の届く範囲でよいブルネッロを造る」という創業者の信念を数世紀を経た現在も変わらず尊重していて、毎年高い評価を得ながらも、ブルネッロの中ではリーズナブルな価格帯をキープしています。

密度のある果実感と高い次元で成り立つバランスの良さ

深いルビーの色調です。ダークチェリーやプルーンの力強さに甘草やタバコ、スパイスのニュアンスが混じりあう豊かな印象です。飲むと、密度のある果実感と奥行きを感じるスケール感、サンジョヴェーゼ特有の酸味とタンニンを感じます。しかしながら、それぞれの構成要素が非常に高い次元で成り立っているので、酸味とタンニンの質がとても上品で非常にバランスが取れています。

バルビの真骨頂ともいえる熟成による凝縮された素晴らしい風味

今飲んでも十分に楽しめますが、バルビの真骨頂は熟成にあると思います。当たり年ともなれば、ゆうに20～30年以上熟成のポテンシャルを感じさせます。飲み頃を迎えた時のバルビのブルネッロが奏でる滑らかな質感、旨味、エキス分が見事に凝縮された風味と癖になる心地良い酸味は忘れがたい印象を残します。

モンタルチーノで最も古い歴史を持つファットリア デイ バルビ

シエナの貴族、コロンビーニ家は1352年からモンタルチーノに土地を所有する650年以上の古い歴史をもつ名家です。コロンビーニ家は1790年にファットリア デイ バルビを創業したモンタルチーノで最も古い歴史を誇るワイナリーです。古くからモンタルチーノのワインの普及に努めてきました。またバルビは早い時期からワインを輸出しており、１９世紀前半には既に国外で賞を獲得しているほどです。

常にイタリアワインの歴史を造り続けている、老舗中の老舗

モンタルチーノの伝統を守りながらも革新的である事にこだわりを持ち、ヨーロッパ、アメリカ、アジアへも他に先駆け、いち早くブルネッロの輸出を始めます。また単一ブドウによるグラッパを初めて造ったのもバルビで、常にイタリアワインの歴史を造り続けている、老舗中の老舗のワイナリーです。

「ニワトリが先か卵が先か？このジレンマは、バルビが先かブルネッロが先かというテーマでもある」

バルビが最初に造ったブルネロ ディ モンタルチーノの歴史は1892年にまでさかのぼります。この年のブルネッロにはイタリア農業省から銀メダルを贈られ、バルビの高い品質のワインはイタリア国内外に知られるようになります。

有名ワインガイド『エスプレッソ』誌は「ニワトリが先か卵が先か？このジレンマは、バルビが先かブルネッロが先かというテーマでもある」とコメントするほどで、ブルネッロの歴史と共にバルビがあったことを示しています。

「手の届く範囲でよいブルネッロを造る」数百年間変わらない創業者の信念

「手の届く範囲でよいブルネッロを造る」という創業者の信念を数世紀を経た現在も変わらず尊重しています。手頃で優れた品質、ブルネッロらしい土の香りや甘みと伴う奥深い味わいのワインを造る生産者として高く評価されています。

女性としてワイン造りに携わった先駆者フランチェスカ女史

先代オーナーは1925年生まれのフランチェスカ コロンビーニ女史で、女性としてワイン造りに携わった先駆者として有名で、ブルネッロを今日の地位まで高めた貢献が人々の尊敬の念を込めて、「シニョーラ(ミセス)・ブルネッロ」と呼ばれています。現在は息子のステファノ チネッリ コロンビーニ氏が伝統と革新をうまく調和させたワイン造りを推進、活発なワイナリー運営を図っています。

1960年代には既に有機栽培を実践。ブドウに対する強いこだわり

バルビは、モンタルチーノとスカンサーノに451haの土地を所有しています、その内、ブドウ畑は91.5ヘクタールで年間生産量約80万本にも及びます。ブルネッロの畑は東から南東向きで、大部分が粘土と沖積土を含む砂利です。１へクタール当たり5200本の高密植栽培でブドウの凝縮度を高めています。最良区画は「フィオーリ」と呼ばれ、そこから産まれてくるブルネッロは１９８１年から単一クリュとして瓶詰めされています。1960年代には既に有機栽培を実践しており、化学薬品や除草剤等は使用していません。

伝統的な長期熟成によるブルネッロ造り

バルビのブルネッロの造りは伝統的であり、アルコール発酵の前に16度でマセラシオンを行いアロマと色素をゆっくりと抽出し、温度27-28℃にて16-17日間掛けてアルコール発酵させます。澱引きとマロラクティック発酵の後に大きさの異なるスラヴォニア産の木樽で合計24ヶ月間樽熟成、瓶熟成を合わせて48ヶ月間もの長期熟成を行いようやくリリースされます。醸造コンサルタントは数多くの著名ワインを手掛けるパオロ・サルヴィ氏です。