協同組合長く醸造責任者を務めていたダニエレ コロッティが独立

ローロ チュフェンナにある品質至上主義の協同組合「パテルナ」で長く醸造責任者を務めていたダニエレ コロッティが2012年独立。ローロ・チュフェンナの町から山を登った標高550mの地の荒廃した葡萄畑と1800本のオリーブの樹を購入し、オステリアとカンティーナを設立しました。

土地は借りている畑も含めて4ha 。生産本数は僅か15000本。彼が自然農法で畑を管理する最大の規模でした。コロッティ氏はパテルナ協同組合で 10年以上働いていたのでこの地域の気候、土壌特性を理解していたので、この地でワイン造りをする事が希望でした。この地域はプラトマーニョ山の冷気が下りてくるので非常に冷涼。ゆっくり葡萄が熟すので収穫は10月中旬。1960年代から農薬が使われておらず健全な状態。トスカーナでは非常に珍しい地域です。

ビオディナミをベースとした自然農法

全ての畑はビオディナミをベースとした自然農法で管理され、プレパラシオン、銅と硫黄（天然）、海藻粉末のみが必要に応じて使わます。放棄された畑から枝を取り、古代クローンを接木し、この地域独自のクローンを復活させています。現在、トレッビアーノ5種。サンジョヴェーゼ5種のクローンやカナイオーロ、チリエジョーロ、マルヴァジア ネロ、コロリ ーノ デル ヴァルダーノも所有しています。

地域の風習に習った栽培や醸造方法

醸造は全て自己流。栽培や醸造はその地域に伝わる風習に習っています。例えばプラトマーニョ山地域の醸造所には北側に窓があり、発酵温度が上がり過ぎたら北側の窓を開放します。山から吹き下ろす冷たい風が発酵温度を下げてフレッシュさを失わない仕組みです。

収穫は遅く10月中旬。砂質土壌は空気を含むので根を温めるが、標高が高いので夜間、葡萄樹は極度に冷やされストレスを受けます。収穫は朝5時から行われる。果実が最大限糖度を蓄えている状態であり、温度が低く発酵温度を低い状態から始めます。15度程度で収穫し徐々に温度が上がり21度から発酵開始。温度帯によって働く酵母が異なります。50種類以上存在する酵母がそれぞれ香や味わいを生成します。多くの酵母が働くことで色々な要素がワインに与えられます。朝の温度は5度。昼間は30度まで上り、昼夜の寒暖差はクラシコ地域の2倍にもなります。この寒暖差で山のワインが造られます。

毎日の気候や畑と葡萄樹の変化を感じて行うワイン造り

赤ワインは伝統的なセメントタンクでの発酵後、大樽での熟成。白ワインはダイレクトプレスのノン マセラシオンと10日間のマセラシオンの2種を使い分けています。同じ場所で毎日の気候や畑と葡萄樹の変化を感じ必要最低限のサポートをするワイン造りです。「技術では本当のワインは造れない」がダニエレ氏の信条。伝統的でシンプルなワイン造りながら職人的な完成度の高さを感じます。山に住む農民が飲んでいた昔ながらの素朴で質の高いワイン、そしてプラトマーニョ山こそのワインを目指しているのがワイナリー「サゴナ」です。