シチリアの女性自然派オッキピンティのコントラーダ（単一区画）シリーズ。寒暖差の大きい標高500mの畑「サンタ マルゲリータ」のグリッロで造る白ワイン「コントラーダ サンタ マルゲリータ」です。48時間の短いマセレーションの後、セメントタンクと大樽で醗酵、12か月の熟成後にボトリングします。『ワインアドヴォケイト』で92点を獲得しています！（2021Vintage）

寒暖差の大きい標高500mの畑「サンタ マルゲリータ」

グリッロで造るアリアンナの住むヴィットーリアは、伝統的にはフラッパートやネーロ ダーヴォラなどの赤ワイン用の品種を主に栽培してきた地域。ヴィットーリア北東部のイブレイ山地は、海が隆起してできた石灰質土壌で、(ヴィットーリアよりも標高が高く)昼夜の寒暖差が望めるため、白品種を植えるのに適した場所だと考えていたアリアンナ、2016年にキアーラモンテ グルフィ郊外のサンタ マルゲリータ地区に彼女が思い描いた土地を見つけます。

標高500mにある、樹齢100年を優に超える松、樫、そしてお化けのようなオリーヴに囲まれた区画で、アリアンナが植えることにしたブドウはグリッロ。彼女曰く、イブレイ山地のテロワールが奏でる独特のメロディを表現する上で、グリッロこそが最適な楽器なのではと考え、植えることにしたそう。

若干21歳にしてワインを醸造「走り始めたサラブレッド」

シチリアを代表する生産者COSコスのオーナーの一人、ジュストの姪っ子であるアリアンナ オッキピンティは、ミラノの醸造学校に通っていた頃からビオディナミに興味を持ち、イタリア、フランス等の自然派生産者と交流を深めると共に、卒業後、生まれ故郷であるヴィットーリアに2haの畑を購入し、2004年、21歳にしてワイン生産を始めます。

出来上がったワインは凝縮感がありつつも、ピュアな果実感を持つ素晴らしい出来栄えで、その評判はシチリアのみならず、イタリア国内に拡がり「走り始めたサラブレッド」として一躍話題になりました。現在は13haの畑から約5万本のワインを生産。赤ワイン用に、ヴィットーリアに起源を持つといわれているネーロ ダーヴォラとフラッパートを、白ワイン用にはアルバネッロとジビッボを栽培しています。

無堆肥による有機栽培を実践

大地の声に耳を傾け、人間のエゴによってそれを極端に歪めることなく、そこから賜ったブドウを醸したいと考える彼女は、畑では無施肥による有機栽培を実践し、防除対策としては年2回の硫黄散布を行うだけにしています。セラーでは､畑でのアプローチ同様の考えから、野生酵母で温度管理を行わず醗酵を行い、二酸化硫黄はボトリング時に若干添加するのみです。ノンフィルター、無清澄でボトリングし、ブドウ畑以外に16haのオリーブ畑も所有していて、一部の樹は樹齢100年を優に超えます。

生まれ育ったヴィットーリアを表現したワイン造り

商業的な成功を最終目標とせず、自分が生まれ育ったヴィットーリアというテリトリーを表現、内包したワインを造り、土地の伝統、文化、そしてワインの素晴らしさをより多くの人に知ってもらいたい、そのためには畑でもセラーでもベストを尽くし、試飲会や他の公共の場でも熱く語りかける情熱の持ち主で、そんな彼女は星の王子様の作者「サン・テグジュペリ」の『地球は先祖から受け継いでいるのではない、子どもたちから借りたものだ。』というフレーズがとても好きだと言っています。