フリウーリ ヴェネツィア ジューリアにて、ブドウ品種ピニョーロとピコリットを復活させた先駆者ドリゴのDOCコッリ オリエンターリ デル フリウリ「ピコリット」です。平均樹齢20年のピコリットを100%使用。約2ヶ月間棚で自然乾燥させたブドウを、バリック樽で12ヶ月熟成させています。アプリコットジャムやアカシアの花の蜂蜜の香り。十分な酸味を持った、ふくよかで甘美な糖分が口いっぱいに広がります。熟成により複雑な味わいを示すデザートワイン。年間生産量1,500本の稀少な逸品です。この年は『ルカマローニ』で96点を獲得しています（2019ヴィンテージ）！

珠玉のデザートワインとして復活

ピコリットは結実率の非常に悪いブドウで、およそ1房に10粒ほどしか結実しない疎粒種です。ですがストラクチャーがあり、糖度の高いワインを造ることができます。元来この地の伝統品種で3世紀前には、王侯貴族や富裕層の間でもてはやされたデザートワインが造られていました。近年では粗粒種のため栽培農家にとっては手間のかかるブドウとなり、一時期忘れさられたものを、ドリゴは珠玉のデザートワインとして復活させました。

ブドウの房を約2ヶ月間、棚で自然乾燥を実施

ブドウは平均樹齢20年のピコリット100%を使用。収穫時にブドウの房を選別し、約2ヶ月間棚で自然乾燥を実施。伝統的なハンドプレスで圧搾。バリック樽で発酵させ、連続的なバトナージュを行います。バリック樽で12ヶ月熟成。ボトリング後に2ヶ月の瓶熟成を経て出荷しています。12本の葡萄の樹でようやく1リットルのワインが出来上がります。

口いっぱいに広がるふくよかで甘美な味わい

鮮やかで輝きのある黄金の色調。しっかりした粘性。アプリコットジャムやアカシアの花の蜂蜜にバターやヴァニラのような香り、クッキーや焼き栗をイメージさせるトースト香も。ふくよかで甘美な味わいが口いっぱいに広がります。しかも十分な酸味があり、高い次元で均衡しています。最後には長い余韻が残ります。8-10度ほどに少し冷やしてお楽しみ下さい。10-15年の熟成が期待できるポテンシャルを備えています。

ワインガイド評価

『ルカ マローニ』96点（2019ヴィンテージ）

「スパイシーでミンティー、杉とバニラのデリケートなニュアンスが甘さと完璧に呼応し、ベースとなる果実の甘さを増幅。黄金色がその雄大なエキス分を表現する。完璧な軽さと説得力を持ち、稀に見る密度とパワーを持つ偉大なレーズンワインで、豊満に愛撫し、質量とパワーの調和がとれており、しなやかで気化したような進行で決して苦くない。酸味と甘味のバランス、透明感、凝縮感、そして陽光の表現力。そして荘厳なグリセリン度、果実の熟成感、濃厚さ、圧倒的な果肉感。今年最高の甘口ワインのひとつで、アプリコットとイチジクの蜜があり、完璧な口当たりの説得力を持つ（2022年5月）」

フリウーリ・ヴェネツィア・ジューリア州のゴリツィア県のポヴォレットにワイナリーを持つドリゴは1966年に父ジローラモが葡萄園を購入しその第一歩を踏み出した。彼らは現在2つの葡萄畑で合計40haの広さを所有している。

一つはブットーリオ村のロンク・デ・ユーリの畑で、購入以前から葡萄畑として長く使用されてきた地所で、ソーヴィニヨン、シャルドネ、リボッラ・ジャッラ、ピニョーロ、ヴェルドゥッオ、タッツェレンゲ、などを栽培している。もう一つはその少し北東にあるプレマリアッコ村にある、モンスクラパーデという葡萄園でその名の示すとおりドリゴが山を切り開いて造った畑で、ピノ・グリージョ、カベルネ、メルロー、レフォスコ、スキオペッティーノ、そしてピコリットを栽培している。

彼らが畑に対して行った初めの変革は整枝方法の変更と密生を行うことであった。整枝方法はより収量制限を行いやすいグィーヨを中心としたシステムに移行すると共に、植生を1haあたり約9,600本の高密生とすることで葡萄自身の競争力を高め、深く根付かせようとすることであった。このことはすべて凝縮した果実味とミネラル感をたたえた良質な葡萄こそがワイン造りの根幹であるという彼らの信念に基づいている。

2011年に創業者のジローラモから長年に亘りワイン造りを担ってきた息子のアレッシオが当主となり、新たにプレマリアッコにカンティーナを2014年に完成させた事を契機にワイナリー名が「ジローラモ ドリゴ」から「アレッシオ ドリゴ」に変更となりました。