このワインはスカヴィーノ家が家族で飲むために造られたもの。夏に笑顔で楽しめるようにと「ソリッソ」（イタリア語で笑顔の意）と名づけられました。セパージュはソーヴィニヨン、シャルドネ、ヴィオニエをブレンドしています。当主エンリコ氏がローヌで飲んだヴィオニエをとても気に入り、ランゲでも植えて造られました。柔らかなテクスチャーと、きれいな酸が調和する高品質な辛口白ワインです

酸味を綺麗に表現するため、マロラクティック発酵は行わずステンレスタンクで醸造

カスティリオーネ ファレットの「アルテナッソ」、ラ モッラの「ブリッコ マネスコット」の畑（標高210-220ｍの石灰マール質土壌）からブドウを収穫。手摘みされた葡萄をソフト プレス後、酸味を綺麗に表現するため、マロラクティック発酵は行わずステンレスタンクで醸造。ステンレスタンクで6ヶ月熟成しています。

柔らかなテクスチャーとしなやかできれいな酸が調和

エメラルドがかった淡いイエロー。白い花、セージ、黄色やオレンジの果実、そしてミネラルのノートを持つフレッシュでチャーミングな香り。デリケートなフレーバーは口中でも続き、柔らかなテクスチャーとしなやかできれいな酸が調和しています。ヴィオニエならではの厚みやオイリーな要素が根底に感じられます。ミネラリーな余韻とミントを思わせる清涼感も。

パオロ スカヴィーノはバローロDOCGエリアの中心部カスティリオーネ ファッレット村に、現当主エンリコ スカヴィーノの祖父、ロレンツォによって1921年に設立されたワイナリーです。当時から品質に対するこだわりは高く、「完璧なブドウしかセラーに持ち込まない」、「セラーは常に清潔に保つ」といった現代と同等レベル以上の品質管理を行なっていました。

老舗のワイナリーですが、エンリコ氏はかつて「バローロ ボーイズ」といわれた、モダンバローロの造り手としてよく知られています。バローロが売れなくなった時代、「いかにして受け入れられるワインを造るか」を命題に、ワイナリーの垣根を越えて同じ想いを持つ生産者同士が切磋琢磨して取り組み成し遂げた改革を行い、新樽バリックやロータリー ファーメンターなど新しい技術を率先して取り入れ、バローロを牽引してきたエンリコは、祖父や父を通してバローロの伝統を学び、極めてデリケートな葡萄、ネッビオーロと向き合う事に心血を注いできました。

ネッビオーロの個性を追求し、一切妥協のない畑仕事を怠らず、優れた畑の個性を引き出し、バリックと大樽を併用するなど、弛まぬ努力と挑戦を重ねてきたが故に、現在の揺るがぬスカヴィーノの存在があります。また、高い品質を保つために、1936年～1993年の間に4度も、カンティーナの改築を行うなど、設備投資にも注力しています。

「伝統派とかモダン派とか、パオロ スカヴィーノのカンティーナにはそんな議論は一切存在しない。ここにはバリックもあれば大樽もある。ブドウの状態によって最適な樽を選ぶだけ」 と語るエンリコ氏。現在は醸造を学んだ娘エリザと共に、緻密でありながら圧倒的な力強さと気品とを併せ持つワインを造りだしています。