キアンティ クラッシコのガイオーレ地区にあり、昔から地元で“ザ クリュ”と畏敬される畑を所有するイルパラッツィーノ。入念なグリーン ハーヴェストによる収量制限と、収穫時の徹底した選果を行い、最上の樽から選ばれたワインをリリースしています。このワインは有機農法のサンジョヴェーゼで造られた、非常にジューシーで美しく深い味わいのキャンティクラシコ リゼルヴァです。2013年は『ジェームズサックリング』で93点を獲得しています。

『ジェームズサックリング』93点（2013ヴィンテージ）

「チョコレート、杉、チェリーのアロマとフレーバーがあり、直線的でジューシーな味わい。ミディアムボディで、風味豊かなフィニッシュは長さと強さを示している。柔らかくなるのに1-2年必要。2020年以降が良い（2019年10月）」

グロッソ サネーゼはドメーヌ本社の隣にある約2ヘクタールの畑で造られています。かなりコンパクトな石灰ベースの土壌は、主にアルベレーゼとガレストロで構成されています。ブドウの木は有機農法で栽培。最大6つの芽を残して、拍車付きコルドン方式で剪定しています。

ワイン醸造に関しては、木製タンク内で20-25日間のマセラシオンを行い。発酵には天然酵母を使用。収穫時のブドウの品質が良いため、現在では亜硫酸塩の使用量を減らしています。熟成は、以前はアリエ産オーク材のバリックのみでしたが、今は大樽（スラヴォニア産とフランス産）とフレンチバリックの3種類を使用し、30ヶ月熟成させ、最終的にブレンドして瓶詰めします。その後、さらに6ヶ月の瓶内熟成を経て出荷されます。

キャンティ地区ガイオーレの南約9km、標高400ｍのところに、古くから地元で“ザ・クリュ”として別格とみなされている一角があります。イル パラッツィーノの畑はここに広がります。1世紀以上にわたりこの畑を所有するズデルチ家。創業は1975年で、本格的なワイン生産はアレッサンドロとアンドレアがこの畑を運営するようになってから始まりました。点在していたオリーヴやブドウを植え替え、現在の畑の土台が築かれました。

アレッサンドロとアンドレアは、知識が豊富で、熱意を持って仕事に取り組み、十分に優れたワインであっても、さらに向上できる点はないかと常に求めています。1984年にはキャンティ造りでそれまで定番とされていた、白ブドウのトレッビアーノとマルヴァジアとの混醸をやめました。それによってよく見られた早い時期の酸化を防ぐことができるようになりました。キャンティとしては例外的に、魅力的な深いルビー色を湛えたエレガンスのあるワインを造り上げました。グリーン ハーヴェストによる収量制限、収穫時には極めて慎重な選果をおこない､セラーでも注意深く最上の樽だけを選んで瓶詰めします。こうすることでほかのキアンティ・クラシコとは明らかに異なるまさにガイオーレ本来の味わいを模範的な品質に高めました。フィネス、温和な優しさ、芳醇、例外的なほどの豊かなブーケを湛えています。

2006年からは輸入元ラシーヌからの要望で、レ ピエーヴェとグロッソ サネーゼの二つのトップ キュヴェを大樽熟成。また2013年以降、モンテヴェルティーネのアグロノミスト、ルジェーロ・マッツィーニの協力で、さらに一段とワインの優雅さと味わいのエネルギー感が向上。歴史あるワイナリーは父アレッサンドロに息子エドアルドが加わった新体制下で、近年劇的な向上を見せつつあります。