「もしフランス式の格付けをするなら、真っ先にグラン クリュとなる」とイタリアを代表するワイン コンサルタント、ステファノ キオッチョリが評するパンツァーノ イン キャンティ。そこに拠を構える名門ワイナリー「ヴィラ カファッジョ」が、所有するエステート周辺のサンジョヴェーゼ100％で造るしっかりした酸味とまろやかな口あたりのキャンティ クラシコ リゼルヴァです。

14世紀から続く畑を1960年代に購入した現オーナー兼醸造家のステファノ ファルカスは1970年代始め、従来のキャンティ クラシコの品質を向上させるべく、従来の形式にこだわらないワイン造りに着手しました。その一つが「良いワインは良い土壌から」という信念の下、高度、向き(南)、良い苗木(クローンの改植)、剪定、そして天候に着目します。

「醸造家はぶどうが正しい方法でワインに育つのをただサポートすれば良い」

これらは全て収穫前までの要素で、いかに設備を充実させても、高価な新樽を用いても、テロワールが良いものでなければよいワインはできないと考えます。逆によい土壌を用意し、丁寧に手入れをすれば自然とよいぶどうが育ち、良いワインになると言います。テロワールこそが最も重要な要素であり、醸造家はぶどうが正しい方法でワインに育つのをただサポートすれば良いとい強い信念を貫いています。

そのため彼は一日の大半をセラーではなく、畑でぶどうの育成を見守ります。畑へのこだわりは、全ての所有する畑が南向きの斜面であることからもうかがえます。

パンツァーノ地区に畑を持つヴィラカファッジョ

1408年から記録が残る歴史的な場所にヴィラ・カファッジョは位置しています。グレーヴェ イン キャンティ南部のパンツァーノ地区にワイナリーを構え、畑は「コンカドーロ」（黄金の谷）と呼ばれるキャンティ クラシコ地区に60ヘクタール、標高約400メートルにブドウ畑を所有し、サンジョヴェーゼを主体に、カベルネソーヴィニョンとメルローも栽培しています。

畑も日当たりの良い南斜面にあり、サンジョヴェーゼ種のクローンもコンカドーロの土壌にあった品種を選んでいます。また8月上旬にはグリーンハーベストを行い、栄養素を集中させて凝縮感のある品質の高い葡萄を作っています。

伝統的製法と近代設備を絶妙に取り合わせる高い技術

1960年代後半よりブドウ畑だけではなく、ワイナリーにも設備投資を行いました。近代的な破搾機や可能な限り葡萄を傷つけないプレス機などを導入しています。一番重要と考える品質の高いブドウ造りを目的にキャンティの伝統的な製法と近代的な技術を絶妙に取り合わせています。

2014年ノーベル賞晩餐会でサービスされたキャンティクラシコ

2012年のキャンティクラシコは『ワインエンスージアスト』で92点を獲得し世界的にも非常に評価の高い生産者です。また日本人教授が3名受賞という日本人にとって素晴らしいニュースとなった2014年12月10日、ストックホルム市庁舎で行われたノーベル賞の晩餐会の席においてサービスされた赤ワインが、この「ヴィラ カファッジョ」のキャンティクラシコ2011年です。トスカーナでも歴史的に名高いカファッジョのキャンティとシカ肉のローストを合わせた晩餐会のニュースは世界中に配信され、オーダーが殺到したそうです。