ネーロ・ダーヴォラは標高50メートルの低地で、メルローは標高650メートルの高地で栽培されています。収量はヘクタールあたり50ヘクトルリットルで、グリーンハーベストを行なっています。

9～10月頃に数回に分けて手摘みで収穫します。発酵は温度管理のもとステンレスタンクにて15日間行います。熟成はネロ・ターヴォラを新樽で12ヵ月、メルローを古樽で12ヵ月かけて行います。その後、瓶内で24ヵ月熟成を行います。

ラズベリー、カシス、桑の実などの赤い皮のフルーツ香、続いてバニラや甘草などの甘いスパイスの香りが漂います。パッケリ（筒状のパスタ）、子羊のオーブン焼き、熟成チーズなどと相性のいいワインです。

1998年設立の新しいメーカー。初代オーナーは元スクーデリア フェラーリのドライバー、パオロ マルツォット氏。ルマン24時間レースやミッレミリアでレースを戦いました。引退後はワインのビジネスで長年活躍、大手のサンタマルゲリータ社の社長を14年間務めました。ポテンシャルの高いシチリアに魅せられ、ワイン造りを始めました。2020年でパオロ マルツォット氏は退社し、新しいCEOはレナート デ バルトーリ氏となりました。彼はエノロゴでもあり、フランコ ベルナベイ氏の息子のマルコ ベルナベイ氏とエノロゴを兼任しています。

■シチリアの北と南に畑を所有。標高が高く冷涼な北（ピアネット）と粘土質土壌で温暖な南（バローニ）

畑は2つあり、シチリアの北にあるサンタ・クリスティーナ・ジェラでは52haの畑を所有。標高が海抜600mあり、冷涼な気候です。土壌は小石が多くインツォリア、ヴィオニエ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルドを栽培しています。南のノトでは65ha所有し、標高が海抜40m。海から2kmと近く、風が強く雨は降らない温暖な畑。土壌は砂質。ネーロ・ダーヴォラ、シラーを栽培しています。

■2016年にエステート全体（約160ha）の有機栽培への転換プロセスが完了

太陽光発電や雨水の再利用のために湖を造るなど、自然と共存するワイナリーを目指しています。栽培は当初からオーガニックを実践。2016年にエステート全体（約160ha）の有機栽培への転換プロセスが完了しました。現在までに、バリオ ディ ピアネットのエステートで生産されるすべてのブドウが有機栽培の認証を受けています。

■樹齢にによって畑のタイプを3つに分け、それぞれの畑は3回に分けて収穫

それぞれの品種は樹齢によって3つのタイプの畑に分けられ、ワインのランクによって使い分けられます。さらに、それぞれの畑は8月から10月に3回に分けて手摘みで収穫。収穫時期によって酸がしっかりしているもの、ストラクチャーがあるもの、成熟した甘みがあるものと個性に違いが出ます。それをうまくブレンドすることで造り手がイメージするワインを造り上げていきます。