フルラーニ

『ベルルッキがスプマンテをフランチャコルタで造り出す１９６４年以前は、ここ、トレントこそがスプマンテの産地であった』（醸造責任者ダニッロ）アルプス山脈が造り上げたドロミテ渓谷はイタリア国内で最も鉱物含有量が多いと言われている。ドロミテ渓谷は石灰岩以上に凝固でマンガンやカルシウムを多く蓄えるドロマイトと言われる岩盤で出来ており、葡萄にとっては非常に厳しい環境。厳しい冬は多雪で、標高８００mを超える畑は年間を通して冷涼。よって地中海気候で温暖なフランチャコルタでは酸度を確保する為に早く収穫するしかないが、トレントでは葡萄の成熟を待っても十分な酸度を確保できる。

畑の仕立は風の強いこの地域ならではのペルゴラ仕立。フルラーニの畑周辺には他の造り手の畑は無いのでビオディナミを実践するには最高の環境。『自然の素材だけで畑を造っていくという理想が追求できるのがこの地の魅力。自家製の調剤やワインビネガー、蜂蜜を使って畑を病気から守り、葡萄樹以外の針葉樹林や野生動物、昆虫の影響を受けながら共存していく。

葡萄品種は、この地の土着品種であるノジオラ。そして今や絶滅危惧種であるヴェルデルバラとラガリーノ ビアンコ種。そしてトレントを表現する媒介として優れているシャルドネとピノ ネロ。地品種からは、この地の農民の間で行われてきた手法であるシュール リーで旨み、厚みを与えたフリッツァンテ シュール リー アルピーノを。シャルドネとピノ ネロからはトレントの硬質感をそのまま表現する為に一切の補糖を行わないブリュット ナチュールを醸している。