祖先フィリップ マッツェイへ敬意を表したワイン

12世紀からワイン造りを行っていたマッツェイ。イタリア屈指の歴史を持ち、国内各地で数々の高品質ワインを生産しています。マッツェイがカステッロ ディ フォンテルートリを取得したのは1435年。現在は、フィリッポ マッツェイ氏とフランチェスコ マッツェイ氏の兄弟が24代目当主として歴史あるワイナリーを経営しています。「フィリップ」は18世紀に“世界市民”としてイタリア、アメリカで活躍した祖先フィリップ マッツェイへ敬意を表したワイン。トスカーナの2か所のワイナリーで育つカベルネソーヴィニヨンをブレンド。トスカーナ発ニューワールドスタイルワインです。『ジェームズサックリング』94点を獲得しています。（2017Vintage）

フォンテルートリとベルグアルドの二つの畑で収穫したカベルネソーヴィニヨンをブレンド！

マッツェイ家所有のトスカーナの2つのワイナリー、カステッロ ディ フォンテルートリ（キャンティクラシコ地区）とベルグアルド（マレンマ地区）?の異なる畑で育つカベルネソーヴィニヨンをブレンドして造られています。ビタースウィートチョコレート、スパイス、シナモン、クローブ、ミントなどが混ざり合った複雑でエキゾチックな味わいです。

2021年8月に、貴重な数量限定品「フィリップ」を試飲することができました！

ややルビーに近いガーネット色。香りは複雑です。ベリー系の黒い果実、チェリー系の赤い果実、コショウ、奥のほうに感じる樽由来のシナモンやバターのニュアンス、仄かな青っぽさ。果実味と酸のバランスが非常によく、骨格がありながらも滑らかなタンニンを持つエレガントな味わいです。

「人生（生命）・自由・幸福を追求する」というマッツェイ家の精神を表現

18世紀、ロンドンで商人として活躍していたフィリップ マッツェイは、ベンジャミン フランクリンなどアメリカの知識人たちと交流を持ち、トスカーナ大公の支援を得てブドウやオリーブなどのトスカーナ製品をアメリカに輸出しました。後の大統領トーマス ジェファーソンが提供した地に、ヴァージニア州にアメリカ初となるワイナリーを設立。アメリカ大陸でヨーロッパ品種のブドウ栽培を開始しました。

第3代合衆国大統領となったジェファーソンが起草したアメリカ独立宣言の重要な趣旨、「人は生まれながらにして平等である」という一説は、フィリップの考えに基づいたものと言われています。フィリップのアメリカでの経験、リベラルで革命的な人物像、「人生(生命)･自由･幸福を追求する」というマッツェイ家の精神が表現された限定品「フィリップ」をぜひ、この機会にお楽しみください。

ヴィンテージ情報

2018年ヴィンテージは、12月と2月に北風が発生し、1月は温暖な気候で、雪と雨の両方が豊富に降り、前年の深刻な水不足を相殺するダイナミックな冬が特徴的です。春には、豊富な降雨量とともに季節の平均を上回る気温がもたらされました。発芽は早かったが、特に問題はありませんでした。6月10日以降、気温は再び上昇し、キャンティ クラシコ地区では、均一な降雨に恵まれた良好な夏となりました。7月と8月は例年通り、9月は晴天が続き、昼夜の温度差が大きかったため、ブドウは適切なフェノールとアロマの成熟度に達することができました。つまり今回の収穫は、量的にも、特に質的にも非常に満足のいく収穫でした。

1435年から続く歴史あるマッツェイ家

12世紀からワイン造りを行っていたマッツェイ家がカステッロ ディ フォンテルートリを取得したのは1435年。現在は、フィリッポ マッツェイ氏とフランチェスコ マッツェイ氏の兄弟が24代目当主として歴史あるワイナリーを経営しています。

キャンティのパイオニア的存在

今では、よく知られている「キャンティ」というワインの名ですが、これは1398年にラポ マッツェイ氏が最初に”wine of Chianti”という言葉を公の文書に使用し記録に残したのが由来といわれています。また、18世紀にはフィリップ マッツェイ氏が後にアメリカ大統領となるトーマス ジェファーソン氏の依頼により、ヴァージニア州にブドウの木を植樹し、アメリカ大陸最初のブドウ畑を作ったという歴史も持つ、キャンティにおけるパイオニア的存在です。

マッツェイ家は1997年にトスカーナのマレンマに「テヌータ ディ ベルグァルド」を、2003年にはシチリアの南東部に「ジゾラ」と新しいワイナリーを2つ設立。それぞれのテロワールとミクロクリマに適した土着品種の特徴を表現した、魅力的なワインを生み出しています。

40年に及ぶ研究により36種のサンジョヴェーゼクローンを実現

カステッリーナ イン キャンティに約650haの土地を所有し、その内117haで栽培が行われています。ブドウ畑は大きく「Belvedere」「Caggio」「Fonterutoli」「Le Ripe」「Siepi」の5つのエリアに分かれており、それをさらに120の区画に分けて個別に管理し、各テロワールにあったクローンや品種が植えられています。

栽培しているブドウ品種はサンジョヴェーゼ、メルロ、カベルネ ソーヴィニヨン、マルヴァジア ネーラ、コロリーノ。サンジョヴェーゼは40年に渡り、マサルセレクションとクローンセレクション、36の異なるバイオタイプが栽培され、ついに36種のサンジョヴェーゼのブレンド「MIX36」が実現しています。

徹底した低収量と最新のグラヴィティーシステム

キャンティの標準的な植樹率が2,500本/haと言われているところ、フォンテルートリは7,500本/haと3倍の密度、収量は1本当たり800g～1kgと徹底した高密度、低収量を行っています。2007年に天然の地形を活かしたセラーと最新の設備と規模を誇る醸造所が完成。3階建ての建物の内65%が地下にあり、ポンプを使わずに重力で果実・果汁を移動させるグラヴィティフローを採用した造りになっています。また、76のステンレスタンクで100を超える区画から収穫されたブドウを別々に醸造しています。

発酵では ブドウにストレスをかけない パンピングオーバー（ルモンタージュ）は行わずパンチングダウン（ピジャージュ）のみ行っています。地下15mにある樽熟庫は岩壁に天然の湧き水が流れ、適度な湿度と温度が保たれています。