最も良いブドウだけを使って造るトップキュヴェ、イルブルー

ブランカイアのキャンティクラシコ地区の2つの畑、カステッリーナ イン キャンティとラッダ イン キャンティの最も良いブドウだけを使って造るトップキュヴェ、イルブルー。1988が初ヴィンテージで、節目となる30年（2018Vintage）。そして31年目となるのが今回の2019年です。リリース時から変わらない青色のラベルを背景に、光り輝くゴールドが際立つラベルです。

ブランカイアをトップワイナリーへと押し上げたメルロー主体のスーパータスカン

2023年10月、ブランカイア社のアンドレア ダレッシオ氏にお話を聞きました。

「イルブルーは1988年に誕生したフラッグシップワインです。カステッリーナとラッダの両方の、80％メルロー、10％サンジョヴェーゼ、10％カベルネソーヴィニヨンを使用しています。イルブルーのおかげで、ブランカイアがトスカーナの重要ワイナリーの一つになったと言えます。ブレンド比率は、もともとサンジョヴェーゼとメルローが50％ずつでしたが、2013年からメルローが主要品種になっていきました。バリックとトノー（新樽50％）で18ヶ月間熟成し、3ヶ月間セメントタンクで寝かせてからボトリングを行います。前回の2018年は30周年を記念した特別な金色ラベルでしたが、私たちはそれをとても気に入ってしまったので2019年も同様のラベルにしています」

2023年10月にイル ブルー2019ヴィンテージを試飲しました。濃いルビー色。黒いベリー系果実を中心に、フレッシュかつ凝縮感のある力強く複雑な香り。ミントのようなニュアンスもあります。果実味やスパイス、チョコレート、青いニュアンスが存在感があるタンニンによって引き立てられ、バランスの良さが表現されています。

約18ヶ月間木樽で熟成。1年間のボトル熟成後にリリースされます。濃密で複雑な香りがとても力強くて上品。濃厚な果実味とともに酸とミネラル、そしてタンニンが見事にとけこんだ素晴らしいバランス。堂々としながらもエレガントさを失わない、存在感あふれる美味しさです。最高品質を造るために畑仕事から栽培に至るまで徹底した仕事を続け、結果できあがった中から厳選。ブランカイアが突き詰めたワインがイルブルーです。

ブランカイアは、1981年にスイス人のウィドマー夫妻がキャンティ クラシコの銘醸地「カステッリーナ イン キャンティ」に設立したワイナリーです。創業早々にキャンティクラシコの1983ヴィンテージが、『ヴィノム』の「キャンティクラシコ テイスティングコンテスト」で見事1位を獲得するなど、その名を一気に世界に知らしめます。

1990年からはキャンティ クラシコの第一人者として知られるエノロゴのカルロ フェッリーニ氏をコンサルタントに迎え、ワイナリーはどんどん発展を遂げていきます。99年からは現オーナーのウィドマー夫妻の娘バーバラさんが加わり、夫のマルティン氏と2人で現在のブランカイアの運営を行っています。

創業当初の畑はカステッリーナのみでしたが、今や大きな飛躍を遂げ、トスカーナの銘醸地「カステッリーナ イン キャンティ」「ラッダ イン キャンティ」「マレンマ」の三つに畑、拠点を構えます。エレガントで調和の取れた独自の個性を持つキャンティクラシコやスーパータスカンは、毎年のように高く評価され、エントリーワインである「トレ」は『ワインスペクテーター』で年間トップ100に輝いた実績を誇っています。2021年で40周年を迎え、ワイナリーはオーガニック生産者へと変貌を遂げ、今後の動向がますます楽しみなトスカーナ屈指の造り手です。