「バローロボーイズ」で一世を風靡したマルク デ グラツィア氏が、シチリア・エトナ山で自ら経営するワイナリー「テヌータ デッレ テッレ ネーレ」の「エトナ ビアンコ」です。土着品種カリカンテ主体にシチリアの土着品種をブレンド。しっかりとした果実味とリッチなミネラルが織りなすキレの良い辛口白です。

「黒い土で、石ころがない火山灰の土壌」

2018年1月、テヌータ デッレ テッレ ネーレ社のマルク デ グラツィア氏にお話を聞きました。「エトナ ビアンコはカッリカンテにカタラット、グレカニコ、ミンネッラの古木のブドウをブレンドしています。ブレンドする事は若いワインには重要な事です。カッリカンテ種は内向的で厳格さがあり中々味わいが開きません。1～2、3年でようやく開いてきます。他品種をブレンドする事でバランスがとれ、より近づきやすい味わいとなります。畑はワイナリー名にもあるように黒い土で、石ころがない火山灰の土壌です。非常に若い女の子のようなワインと言えます」と話してくれました。

注目を集めるエトナエリアで4種の土着品種で造られる白

現在イタリアで最も注目を集めているエリアのひとつ、エトナを初めて飲む方におすすめなのが「テッレ ネーレ」。このビアンコはシチリアの土着品種の4種の混醸で造られる、しっかりした果実味がありながらも高い標高ならではの上品さと火山由来のミネラル感が印象的なエトナを代表する白ワインです。

キリッとした酸と果実のバランスの良い飲み心地の良さ

グレープフルーツを思わせる清涼感のある香り、キリっとした酸味とフルーティーさのバランスが抜群。豊富なミネラルがワインに複雑味を与えているので、飲み飽きることなくスイスイ飲み進んでしまう飲み心地の良さがあります。エトナのポテンシャルの高さを感じる秀逸な白ワインです。

イタリアワイン界の重鎮が手がけるエトナの先駆者

テッレ ネーレは、バローロ改革で名高いマルコ デ グラツィア、セバスティアン デ グラツィアの両者が惚れ込み、自ら畑を取得して始めたエトナの造り手です。屈指のテロワールを持つと言われるシチリアの中でも最高の土地を求めた結果、エトナ火山の北方斜面に位置する畑に出会いました。フィロキセラに犯されていない、非常に樹齢の高いブドウの樹が存在する唯一の土地でもありました。

フィネスを備えたエトナのテロワールを追求

TERRE NERE（テッレ ネーレ）とは「黒い土壌」という意味で、岩石が多く黒い火山灰土壌に由来しています。エトナ山の50万年以上にわたる噴火活動によって形成されたこの土地は、非常に多様で特殊な土壌を持ち、ブルゴーニュ地方のように畑ごとの個性が際立ち、それぞれの「クリュ」を語ることができます。

力強く筋肉質なワインが多い他のシチリア地域に比べ、エトナ周辺では優れたフィネスを備えたワインが生まれます。2000年以上の歴史を持つこの重要なワイン産地で、デ グラツィア兄弟はテロワールを最大限に生かしたワイン造りを追求しています。