スペイン銘醸地DOQプリオラート地区エルモラール村に5世代続く家族経営ワイナリー「グリフォイ デクララ」。彼らがガルナッチャブランカ100％で造る新樽熟成白「グラン プレディカット ブラン」。クリーミーな口当たりで口中に広がるミネラリー＆フルーティな味わい。複雑でバランスの取れたワインです。

世界の名だたる星付きレストランにオンリスト！

2022年11月にオーナー兼醸造家のロジェール氏にお話を聞きました。

「グリフォイ デクララにおける白ワインのフラッグシップです。ガルナッチャブランカ自体の色が黄色いということもありますが、加えて樽熟成由来の色味も出ています。15ヶ月間フレンチオークの大樽で発酵、熟成をしています。樹齢25～35年。温度は赤ワインと同じくらいの16～17度でも大丈夫だと思います。開いてくると、洋ナシやパイナップルの香りが出てきてクリーミーさも増します。

ちなみに、このワインは、バルセロナにあるDisfrutar（ディスフルタール）というミシュラン二つ星レストランでオンリストされています。スペシャリテである透明のマカロニのカルボナーラに、プレディカット ブランを合わせていただいています（笑）。そして、ミシュラン三ツ星シェフのカルメ ルスカイェーダさん（世界で最も星を獲得する女性シェフ）のとある記事に使われた写真に、彼女とともにプレディカットブランが載っているんです」

2022年11月にグリフォイ デクララ グラン プレディカット ブラン2018ヴィンテージを試飲しました。黄金色。杏やマンゴーなどの熟した黄色の果実、樽由来のバターやアーモンドの香り。温度が上がってくると、ハチミツやパイナップルのニュアンスも出てきます。温度によって香りや味わいの変化を楽しむことができます。口当たりは非常にソフトで柔らかく、南国果実を感じます。温度が上がると、クリーミーさが増していきました。余韻も長いリッチな白ワインです。

グリフォイ デクララは、2001年、5代目オーナー醸造家ロジェール グリフォイ デクララが家業を継ぎ設立。プリオラートにブドウ畑が興されたのは中世にまで遡るが、その名声が世界的に知られたのは1990年代から。そのプリオラート復興の原動力となった「4人組」のひとり、アルバロ パラシオス氏の考えに賛同したロジェールの父がブドウを提供したことが縁となり、ロジェールは5年間パラシオス氏のもとで研鑽を積む。そこでの経験から、自分もワイナリーを造り、家族のワイン「グリフォイ（父方の姓）・デクララ（母方の姓）」を世界に送り出したいと思うようになる。

2001年、ロジェールは20歳でその夢を叶え、モンサンでワイン造りを始めた2年目で様々な評価誌で高得点を獲得。2006年、プリオラートでもワイン造りをスタート。2017年にDOモンサンを離脱し、独自の規格「マウンテン ワインズ（MWEM）」を設立。2018年より販売開始。

2つのDOにまたがるエル モラール村

エリア：

カタルーニャ州タラゴナ県、エル・モラール村。人口300人。バルセロナから南西に2時間。DOCaプリオラート（60%)とDOモンサン(40%)の両地域にまたがる村。※DOモンサンの自社畑は、2017年よりマウンテン ワインズに移行。

気候：

エル モラール村は、四方を囲む岩山が、地中海からの湿った風や雨を阻むので、一年を通して晴天。年間降水量は200mm、乾燥した過酷な環境が、代々受け継がれた自然を尊重した栽培を可能にしている。

畑：

＜プリオラート＞

標高180～380m。山の急斜面にテラス状に広がる。リコレリャ（粘板岩）90%、石灰岩、砂、粘土質の土壌。

＜マウンテン ワインズ（MWEM)＞

標高180～450m。テラスと斜面に広がり、半分以上が25度以上の急斜面。砂、粘土質、石灰岩、リコレリャ（粘板岩）15%の土壌。