マルサネの未来を背負う若手醸造家「ドメーヌ シルヴァン パタイユ」のマルサネ ルージュ「ル シャピトル」。カルシウム豊富な土壌から造られ、優れたテクスチャーと骨格を持つワインが生まれます。彼らのワイナリー内では、最後に試飲されるワインです。

ブルゴーニュのマルサネに地にて、いくつかのクリマをプルミエクリュに昇格させるべく、地道な活動をしているのが若き醸造家シルヴァン パタイユです。若いときからワイン醸造家になることを志していました。1999年に醸造コンサルタントになり、まずは1haの畑を借りてワイン造りをスタートしました。彼は素晴らしい畑を持っているのに、酷いワイン造ってしまう人たちを多く見ました。自分ならマイナーなアペラシオンでも凄いワインを造ってみせるぞと思い、畑の広さが4haになった2001年にコンサルタントを辞め、ドメーヌに専念することを心に決めました。

マルサネで生まれ育ったシルヴァンが最初のヴィンテージを出したのは2001年。最初は実家のドメーヌで何とかやって行けましたが、ブドウ畑が増えるにつれてワイナリーが手狭になったことから、最初はジュノーヴへ、次に彼の現在の拠点であるマルサネ教会の裏手に移りました。シルヴァンは本格的なワイン造りを最初はボーヌで、次にボルドーで学びました。1haのパストゥグランから始めたシルヴァンは2000年に2ha、2001年に4haと順調に畑を広げていき、飛躍の年である2002年には10haになりました。現在14haまで畑を増やし、アリゴテ、パストゥグラン、赤と白の地域呼称ブルゴーニュからマルサネ ブラン、ロゼそしてルージュまで、全部で15キュヴェを作っています。

シルヴァンはマルサネ ラ コートだけからのブドウを使ってワインを造っています。彼は本当にマルサネのテロワールを愛しています。クロ デュ ロワ、ラ モンターニュ、そして特別な思いがあるランセストラル キュヴェに、最近ではマルサネ グラス テットとロンジュロワという2つの畑が加わりました。シルヴァンは2006年にヴィオディナミの認証を受け、それ以来ずっと畑を鋤き返し続けることに情熱を注いでいます。畑と同様に彼の醸造哲学は「自然、自然、自然...。すべてを出来る限りシンプルに。天然酵母だけを使い、酵素は使わない。発酵温度は32°C以下に抑える」といたってシンプルです。ワインも浸漬時間を長くし、強い圧搾で十分に抽出し、その段階では、過保護を避け、ワインが酸化に対して脆弱にならないように亜硫酸は使用していません。ビン詰めの際に非常に僅かに添加するのみです。