2020年にDOCGに昇格したテッレ アルフィエーリ唯一の自然派「ヴェンゴレ」が造るアルネイス100％白ワイン「サンロメ」。フレッシュでミネラリーなアロマ、印象的なフレッシュさと繊細な味わいで、アルネイスの特徴が絶妙に表現されています。

完熟果実とフレッシュな酸が調和するアルネイス

2023年6月に当主ルクレツィアさんにお話を聞きました。

「Vinitalyの賞をはじめ、国外でも賞を取るアルネイスで造られた白ワイン、サンロメです。サンロメとは、この土地を守る聖人を意味しています。聖人と名付けることで、外部からの敵の侵入を防ぐという意味が込められています。収穫後ブドウを氷点下で冷却することで、フレッシュな酸や、白い花や桃などのアロマを抽出しています。ステンレスタンクでシュールリーの状態で4ヶ月間熟成。生産本数は1万5000本です」

2023年6月にサンロメ2021ヴィンテージを試飲しました。透明感のある黄金色。熟した黄色い果実、レモン、ミネラル、フレッシュな酸を感じる香り。味わいは香り同様の熟した黄色い果実、フレッシュな酸。やや厚みのある骨格と生き生きとした果実味が特徴的です。

ワイン名はブドウ畑の守護聖人「サンレミジオ」に由来

「サンロメ」はピエモンテの言葉で、ブドウ畑の守護聖人であるサンレミジオに由来します。ブドウはオーガニック（Ecocert認証）で育てられたアルネイス100％を使用。畑は砂質、石灰質の土壌です。手摘みで収穫したアルネイスをソフトに圧搾。発酵前に10-12時間の低温マセラシオンを行い、 15度に温度管理されたタンクで天然酵母により12-15日発酵。 その後ステンレスタンクにて4ヶ月熟成させています。SO2量は45mg/L。ヴィーガンの認証も取得しています。

印象的なフレッシュさと繊細な味わい

明るいイエローの色彩。白桃、シトラス、グレープフルーツを思わせるフレッシュでミネラリーなアロマ。印象的なフレッシュさと繊細な味わいがあり、後味にわずかに残るアーモンドのような香り。アペリティフとして、また魚料理やベジタリアン料理と相性が良いです。

ピエモンテのテッレ アルフィエリ地区で、三姉妹によって運営されている小規模なワイナリー「カッシーナ ヴェンゴレ」。醸造家である長女のルクレツィアが中心となり、2人の妹と共に彼女が生まれ育った土地で、自然に調和したワインを造るという夢を実現しています。ブドウ畑は円形劇場のような渓谷の斜面に広がっていて、周りは自然の森の尾根に囲まれています。この付近は乾燥した丘陵地帯ですが、この場所には水源となる泉があり、その潤いがもたらす豊かな土壌が広がっています。

この26ヘクタールの単一区画で、100％有機栽培を行っており、そこは自然が溢れ、生物多様性の宝庫となっています。

春には様々な種類の植物の花が咲き誇り、まるで天国のような景色に。沢山の昆虫や動物も生息しており、ブドウ畑は生命力に溢れています。ただ自然任せにするのではなく、野生のハーブや豆類をブドウの木の間で育て、土壌の肥沃さと生命力を維持するための緑肥として活用する等、より良い葡萄を栽培するためにしっかりとした管理が行われています。

醸造家のルクレツィア曰く、「良いワインを造るためには良いブドウが必要であり、良いブドウは自然と調和した生物多様性に富んだ生態系の中から生まれる。ブドウ畑は生態系に必要な一部となる必要があり、ワイン生産の名の下に生態系を犠牲にすることは許されない。私達は厳格な倫理に従って行動し、自然への介入を最小限に抑え、生物多様性に富んだ生態系を保っている」と語っています。

ルクレツィアはまだ若いながらも、しっかりとした考えをもってワイン造りに取り組むその姿勢は称賛に値します。また彼女は、僅か12歳の時に自らの意思でヴィーガン（菜食主義者）となり、それ以来、ヴィーガンかつオーガニックな生活スタイルを続けており、当然ながらワイン造りにおいても、ヴィーガン、オーガニックを100％実践しています。

カッシーナ ヴェンゴレの歴史はまだ浅く、かつ三姉妹が運営しているということで、どんなワインなのか想像がつかないかもしれませんが、彼女達が造るワインは本当に素晴らしく、美しくて綺麗な味わいです。