カステッロ ディ クエルチェートは20世紀初頭に運営をはじめた名門ワイナリーです。1924年には設立されたキアンティクラシッコ協会の33生産者の1社でもありました。キアンティの生産者として長い歴史を持っていた同社ですが、新たな挑戦として国際品種でのワイン造りに取り組みを始めます。このワインは1985年に前年収穫で甚大な被害を与え、ワイン造りを断念させられる原因となった猪をワイン名としてリリース。今や百花繚乱のトスカーナ外来品種ワインの中で先駆的役割を担うスーパートスカンです。2016年は『ワインアドヴォケイト』94点、『ジェームズサックリング』94点、『ルカマローニ』93点を獲得しています。

バリックで24ヶ月と瓶内で9ヶ月熟成

チニャーレはカベルネ ソーヴィニヨン90%、メルロー10%をブレンド。平均樹齢は31年、栽培面積3.0haです。その1本に対する造り手のこだわりは、収穫するブドウの量をとことん減らし果実の一粒一粒を凝縮し、その結果、濃厚でリッチな味わいのワインに仕上げます。収穫後はステンレスタンクで発酵、その後バリックで24ヶ月と瓶内で9ヶ月熟成させています。年間生産本数は13,500本です。

カベルネの力強さとメルローの優しさが見事にマッチ

カベルネ・ソーヴィニョンを主体に、少しメルローをブレンド。カベルネの力強さとメルローの優しさが見事にマッチ。色は非常に深いルビーレッド。しっかりとした粘性を持っています。 黒スグリや完熟したプラムなどの果実香を前面に感じます。ピーマンなどの野菜の香りなども。その他ヴァニラやコーヒー豆、タバコの葉の香り。黒胡椒などのスパイス香も微かに感じ取れます。

熟成のポテンシャルを持つ、凝縮した果実味のワイン

味わいは凝縮した果実味としっかりとしたストラクチャーを感じます。きめの細かいタンニン、ヴォリュームのあるアルコール分と、まろやかながらしっかりとした酸味を持っており、更なる熟成を予測させます。長い余韻も。熟成のポテンシャルは10-15年。ワイン誌でも毎年のように90点以上の高得点を取り続けている実力派のワインです。

カステッロ ディ クエルチャートは、トスカーナのキャンティクラシコエリアの北東エリア、グレーヴェインキャンティの小さな谷の中に位置しています。

ブドウ園の大部分は1975-1985年に植えられ、そのワイン畑の多くの部分でそれぞれが最高の微気候（ミクロクリマ）の恩恵を受けています。

化学肥料はほとんど使わず、広く有機栽培をおこなっています。必要に応じてブドウを減らし、土地の持つ特性を最大限ブドウに伝え、凝縮された最高品質の果実が出来るよう非常な工夫をしているのです。

サンジョヴェーゼ、カベルネ ソーヴィニョン、メルローなど、赤ワイン用の品種がメインですが、それも品種ごとに適した畑を決め、最適の条件のもとで育てられています。

そしてなによりも、 オーナーのアレッサンドロさんによる、ブドウ園特性に関しての深い研究がワイナリーの基礎となっています。

彼の狙いは「異なる条件で造られる異なるブドウの種類の特徴と潜在力を上げること」。

そして、１つ１つのブドウ園によって違う微気候の長い長い研究の末、彼はその聡明さで、最高品質のワインを得る唯一の方法は、その場所に最も合うブドウ1種類のみを作るべきだという結論に達しました。そのために、畑を細かく分割しています。

異なる場所で栽培されたブドウは、収穫時期も別々、醸造もすべて別々に行われます。周到に練られた計画の元、その１つ１つのワインを一番のものにするべく、こだわりを持って造っているのです。