ジュリオ ガンベッリ氏に捧げ、彼のニックネームをつけた「ファットリア オルマンニ」の「ユリウス」は、伝統的ワインとは一線を画したセパージュながらオルマンニらしさを感じられる完成度の高い1本です。強く持続性のある香りからブドウのポテンシャルの良さが感じられます。柔らかく、ほんのりスパイシーな口当たりです。バランスの良い酸がフレッシュさを与えています。

「ファットリア オルマンニ」は、1960年代にはサンジョヴェーゼの巨匠ジュリオ ガンベッリ氏をコンサルタントとして招き入れ、サンジョヴェーゼに重きを置いたワイン造りに注力してきました。国際品種が持て囃されたスーパータスカンブームとは距離を置いた存在でもありましたが、1997年にこのワインが誕生しました。非常に「オルマンニ的」な1本「ユリウス」は、オルマンニで栽培されたサンジョヴェーゼ、メルロー、シラーのブドウの幸福な結合の結果です。このワインの誕生は、何十年にもわたってオルマンニのワインの成長に多大な貢献をしてきたジュリオ ガンベリ氏のおかげだと彼らは言います。

2012年86歳で他界したジュリオ ガンベッリ氏は、自らの天才的な感覚を頼りにワイン造りを行う醸造家です。カーゼ バッセ、モンテヴェルティーネ、ビッビアーノ、ポッジョ ディ ソットなどなどトスカーナの多くのワイナリーを指導しました。

オルマンニファンの皆様にはもちろんのこと、ジュリオ ガンベッリ氏ファンの皆様にもぜひお試し頂きたい「ユリウス」です。

ファットリア オルマンニはキアンティクラシコエリア西部、ポッジボンシからバルベリーノヴァルデルサに位置するワイナリーです。オルマンニ家の歴史は古く、13世紀のダンテの『神曲』にもその名が登場します。その後、戦争によりオルマンニ家がフィレンツェを追放されると、スカラッティ家、メディチ家の統治を経て、19世紀に現在のオーナーであるブリーニ家の所有となります。

現在のカンティーナは1914年に作られたもので、1924年にキアンティクラシコのコンソルツィオが発足された時の創設メンバーでもあります。

1960年代にはサンジョヴェーゼの巨匠・ジュリオ＝ガンベッリ氏をコンサルタントとして招き入れ、サンジョヴェーゼに重きを置いたワイン造りに注力しました。国際品種が持て囃された1990年代のスーパータスカンブームとは距離を置いたため世界的注目度は上がりませんでしたが、土着品種葡萄に注目が集まるようになった近年、サンジョヴェーゼのポテンシャルをピュアに表現するワイナリーとして注目され始めました。

2010年にはサンファビアーノカルチナイアのディレクターを務めたロッコ＝ジョルジョ氏が加入しました。ロッコ氏はガンベッリ氏の「今までポテンシャルを発揮しきれなかったこの土地の実力を形にしてほしい。」という遺言に従い、恵まれたテロワールを最大限に生かすため、ガンベッリ氏の一番弟子であるパオロ＝サルヴィ氏と共に、畑の手入れ、醸造所の管理などの改革を進めています。バランスを重視したクラシカルなワインは今後、更なる進化を遂げようとしています。