フォリアス デ バコはポルトガル ドウロにあるワイナリー。現代醸造技術の知識も思慮深く使いながら、伝統を大事にワイン造りを行っています。 このワインはモスカテル ガレゴを使用。涼やかなミネラル感にキリっとした酸を感じるオレンジワインです。

畑はドウロのシマ コルゴ地区、片岩と、花崗岩質に粘土が混ざる、土着品種が25品種以上混ざる混植単一区画の中から、モスカテルのみを選び、グラップ アンティエール（房ごと醸造）でセメントタンク内にて4カ月間のマセラシオン。1月末にプレスしタンクで再度寝かせて、2月末瓶詰めしています。SO2は無添加です。

やや濁りのオレンジ色の外観。夏みかんの様な爽やかな香り。涼やかなミネラル感にキリっとした酸が心地よい。いわゆるオレンジワインによくある過度な抽出はなく、ポートの産地ドウロの涼やかなミネラル感にキリっとした酸を感じる、涼しげな印象のオレンジワイン。

幼いころからの夢を叶え、ついに独立

フォリアス デ バコの当主ディアゴは、幼い時から祖父が畑で作業するのを見ていました。当時から明確にぶどう栽培、ワイン造りをしたいと強く思っていました。普通の高校に行く傍ら、農業専門校を並行で履修。大学でも栽培、醸造、さらには農業エンジニアを勉強していました。その後オレゴンで5年栽培、醸造経験を積み博士号を獲得。満を持して、2007年にポルトガル ドウロへ帰り、祖父母が大切に守ってきた畑を自社畑として復活させました。ワイナリー名のフォリアス デ バコとは『バッカス神の楽しい宴』という意味です。

現代醸造技術を使い、伝統の足踏みも

人為的介入は最低限。多くの場合グラップ アンティエール（房ごと醸造）でラガール（ドウロの伝統的な桶）で軽く踏んだり、ほとんど破砕せずに醸造。現代醸造技術の知識も思慮深く使いながら、伝統を大事にしている。野生酵母のみを使い、赤はドウロの伝統の混植混醸。単一畑になんと25品種以上が植えられています。

畑は最標550m-700mの冷涼な環境

彼の畑はドウロのサブ ゾーン、シマ コルゴの最標550m-700mで、冷涼さも感じる場所です。最高標高ではドウロ地域なのにポルト造りが認められていないほどの冷涼な環境。表土の浅いシスト土壌で石がごろごろした畑や、花崗岩質土壌も一部にあり、ドウロの中でも最も痩せた土壌。自然をリスペクトする栽培方法を行うことで、地元の人からは高品質ワインは造れないと思われてきたこの環境でこそ、自分の造りたい、フレッシュで、土地のミネラルを感じられるワインが造れるとディアゴは確信しました。彼は現在も信じた道を邁進しています。