アンジェロ ガヤと並び称されるバルバレスコの名手ブルーノ　ジャコーザ

アンジェロ ガヤがフランスのワイン造りに習った革新的手法でその名声を築く裏で、余分な木の香りをつけない大樽での長期熟成というイタリア伝統の造りを守り、偉大なバルバレスコを造り続けてきたブルーノ ジャコーザが造るラインナップの中核をなすワインのひとつが、この「バルバレスコ アジリ」です。ブルーノ ジャコーザの自社畑のなかでも最もよく知られている畑で、1961年から瓶詰めされている、バルバレスコの名品中の名品です。

この畑は2つの特徴があり、一つは南向きの2.5ヘクタール、もう一つは南西向きの0.8ヘクタールです。南向きの畑からはフィネスのある上品なタイプ、南西向きの畑からは香りとタンニンが豊かなものが造られます。柔らかく広がるピュアな果実味、シルキーな質感、そして澄んだ長い余韻が、飲むものを深く深く引き込みます。

ブルーノ ジャコーザのオーナー、ブルーノ ジャコーザ氏が、88歳で2018年1月22日に永眠されました。

13歳から祖父のカルロ氏の指導の下でワイン造りに携わり始め、その後1961年に自分の名前を冠したブランド「ブルーノ ジャコーザ」をファースト・ヴィンテージとしてリリースしました。以来、半世紀以上に亘りワイン造りにその人生を捧げ、ランゲ地区の畑については誰よりも知り尽くしており、ブドウを試食しただけでどの区画のものか当てられるとまで言われていました。ブルーノ ジャコーザ氏亡き後も、その想いは娘のブルーナ ジャコーザ女史に受け継がれています。

ワインガイド評価

『ジェームズサックリング』98点（2022ヴィンテージ）

非常に上品で芳醇な香り。熟したイチゴ、スパイス、杉、白檀、鉄粉のニュアンスが中程度のボディへと続き、極めて長く鋭いタンニンが際限なく続く。後味は軽く噛み応えがある。洗練されたアシリ。今すぐ飲まずにはいられない。2029年以降が最適。（2025年5月）

『ワインアドヴォケイト』95点（2022ヴィンテージ）

ブルーノ・ジャコサ 2022 バルバレスコ アジリが市場に登場しました。2024年7月15日に瓶詰めされました。この優雅なワインは、繊細な土壌を持つアジリの洗練されたニュアンス豊かな本質を表現しています。明るいルビー色に開け、緊張感とグリップ感を保ったチョークのようなタンニンが感じられます。余韻にはスミレや青い花のニュアンスがほのかに漂います。非常にテロワールを反映したワインですが、真価を発揮するには瓶熟成の時間を要します。2020年産のリゼルヴァ（赤ラベル）は今年後半にリリース予定（当サイトでレビュー済み）。2021年産リゼルヴァは2026年リリースとなります。ブルーナ・ジャコーザ（故ブルーノ・ジャコーザの娘）が赤ラベルを生産する場合、白ラベルは製造されません。飲み頃2027-2050年（2025年1月）

ピエモンテのランゲ地区で3世代にわたりワインに携わってきたブルーノ ジャコーザ。ブルーノ ジャコーザ氏の祖父、故カルロ ジャコーザさんが自社で醸造瓶詰めしていたのが始まりです。父の代でもワイン造りをしていましたが、第二次世界大戦の戦中・戦後では経済的にボトルワインの市場がなく、瓶詰めを行わずに量り売りをしていました。ブルーノ氏は1929年生まれで、13歳から祖父のカルロさんと一緒に働き始めており、そして自分の名前「Bruno Giacosa」ラベルで瓶詰めされたファーストヴィンテージが1961年。こうして「ブルーノ ジャコーザ」が誕生しました。

今では半世紀以上にわたる経験を持ち、ランゲ地区の畑については誰よりも知り尽くしていると言っても過言ではありません。畑と醸造における伝統に敬意を払うという、単純にして明瞭な哲学の下に造られるワインは一貫したスタイルを貫いています。確固たるスタイルを持ったワインは世代や時代を超えて、「バローロのロマネコンティ」や「イタリアの5大シャトーの1柱を為す」など、世界中からイタリアを代表する生産者とされています。

ワインスペクテイターでは過去に90点以上を50回、うち100点を1回獲得。ワインアドヴォケイトでは90点以上を97回、うち98点を6回、99点を2回獲得しており、常にトップの座に君臨しています。ガンベロロッソでは過去に最高評価の3グラスを13回獲得。2010年度には「最優秀ワイナリー」にも選出されています。

※ブルーノジャコーザには自社畑のブドウだけで造る「ファッレット ディ ブルーノ ジャコーザ」と、購入したブドウから造る「ブルーノ ジャコーザ」という2つのブランドがあります。