トップキュヴェはイタリア最優秀スプマンテ「カボション」

イタリア最優秀スプマンテに選ばれた「カボション」を造るモンテロッサのスタンダードキュヴェがこの「プリマキュヴェ」！モンテロッサは、フランチャコルタの生産者としては珍しい、フランチャコルタDOCGだけに特化した専門ワイナリーで、その看板商品でイタリアの星付きレストランでオンリストされるほどの高品質フランチャコルタがこのスタンダードキュヴェなのです！

2022年3月にワインジャーナリストの宮嶋勲氏にフランチャコルタとモンテロッサ プリマ キュヴェについて解説していただきました。

「神様が与えてくれた好条件を満たすフランチャコルタですが、かつては高品質なスパークリングワインができる産地だと思われていませんでした。戦後、1961年にベルルッキがフランチャコルタで初めて瓶内二次発酵スパークリングワインを造り大成功を収めたことで、フランチャコルタの名が知れ渡ります。

フランチャコルタは、ミラノとヴェネツィアの間にあります。エリアの北側にはイゼオ湖があり、その更に北にはプレアルプスにつながるカモニカ渓谷があります。湖は温暖な気候を生み、2000メートル級の山は冷涼な気候を生みます。そのため、昼夜の温度差が激しく、ブドウが熟成するのに非常に適した産地なのです。様々な土壌がミックスしていることも特徴です。摩耗された様々な石ころが混ざっているため、非常に水はけがいいんです。

このプリマ キュヴェは、注意深く香りを取ると、熟れた果実やパイナップル、トロピカルフルーツ、柑橘類があります。フランチャコルタには必ずこれらの特徴があります。華やかな熟れた果実です。瓶内二次発酵で造るスパークリングワインには生き生きとした酸が重要ですが、このフランチャコルタにはカモニカ渓谷とアルプスが近いから瑞々しい酸が生まれます。トレントやアルタランガのような強烈でない適度なミネラルも感じられます。癒される香り、口に含むと柔らかくフレッシュで優しい酸があります。アルタランガのような厳格さはありませんが、どこかおしゃれでスタイリッシュな味わいです」

プリマキュヴェの品質が第一優先！トップキュヴェに使うところをあえてリザーヴワインに！

プリマキュヴェの最大の特徴は、他のフランチャコルタの造り手に比べて圧倒的に高いリザーヴワインの比率。瓶内二次発酵のスパークリングのノンヴィンテージの場合、過去の良年ヴィンテージをブレンドすることで毎年、安定した品質となるのですが、リザーヴワインをストックするにはお金がかかるし、良年ヴィンテージの生産本数が減ってしまうので、フランチャコルタではリザーヴワインを使わない生産者も多いのです。

しかし、モンテロッサは、プリマキュヴェの品質を第一優先にしているので、普通だったらトップキュヴェにするようなワインをあえてスタンダード用の「リザーヴワイン」としてストック。最高峰フランチャコルタとして世界中にその名を知られるトップキュヴェの「カボション」は、最優良年の年にしか造っていません！

今日初めてスプマンテを飲むという方でも惹きつける楽しさ

2017年7月に「ヴィーノ デッラ パーチェ」の内藤和雄ソムリエと試飲しました。「口当たりの柔らかさがプリマキュヴェの信条で、今日初めてスプマンテを飲むという方でも惹きつける楽しさがあります。安定感抜群で、常に口当たりの柔らかさがあり、キレの良さも感じます。口に入った瞬間に味わいが横に広がり、スタンダードでもあっても華やかさがあります。「フランチャコルタが一瞬の内に人を楽しくさせる泡である」とするならば、プリマキュヴェはその代表的な例だと言えます。」と話してくれました。

プリマキュヴェの高い品質を維持することが最大の目的

フランチャコルタの多くの生産者がリザーヴワインをほとんど使わないのに対し、モンテロッサはあえてリザーヴワインの比率を高め、毎年安定した品質を保ち、複雑で奥行きのある味わいを造り出しています。果実味をダイレクトにぶつけるのではなく、一度受け止めて洗練させ複雑さを加えてからそっと戻すといったスタイルで突出した要素がなく、全体的にまろやかな印象。果実の豊潤さをストレートに出すのであなく、より優美なワインに仕上がっているのがモンテロッサの特徴です。

「モンテ・ロッサ」は、フランチャコルタワイン協会の初代会長を務めたパオロ氏が経営するワイナリー。1972年の創業で、家族経営の小規模ワイナリーながら、その実力は高く、フランチャコルタのトップワイナリーのひとつとして評価されています。

フランチャコルタ地区の多くの造り手はスパークリング以外にもスティルワインを造るワイナリーも多いのですが、モンテロッサはD.O.C.G.フランチャコルタだけを生産。つまり、「スパークリングワインの生産」だけにワイナリーの力の全てを注いでいます。

ワイナリーのフラッグシップはなんと言ってもカボション フランチャコルタ ブリュット。出来のいい年だけに造られる、ヴィンテージ表示(ミッレジマート)のフランチャコルタ。実に40ヶ月以上の長期熟成を経て生まれます。タバコやスパイスを感じさせる香りは複雑でパワフル。ソフトできめ細かな泡立ちはまるでムースのよう。イタリアで最も権威のあるワイン評価誌『ガンベロロッソ2004版』で年間最優秀スプマンテの栄誉に輝き、その地位を不動のものにしました。