『ワイナート』特集「世界的ブーム！オレンジワイン」に掲載！

ピエモンテの自然派リッチカルロダニエーレがソーヴィニョン主体で造るオレンジワイン「リスペット」2017年が『ワイナート』95号特集「世界的ブーム！オレンジワイン」に掲載されました！

ほんわか甘やかなアタック、紅茶的なタンニン

誌面では「ほんわか甘やかなアタックだが、舌先にピリピリくる揮発的な酸味あり。紅茶的なタンニンがしっとりと溶けるが、余韻は軽やか。ショウガのようなスパイシーさが残る。紅茶飴、アンズ、穀物の香り。やや濁ったトパーズ色。」とコメントされています！

アカシア樽熟成のスモーキーで深い味わい

ソーヴィニョン主体に、シャルドネとリースリングを加えたユニークなブレンドです。ステンレスタンクで野生酵母による発酵を行います。マセラシオンは2週間。その後、アカシアの樽で4ヶ月間熟成させます。

濃いめの黄色からオレンジの色合いです。レモンピールやアカシアの樽由来のスモーキーで―落ち着いた雰囲気の香り。飲むとしっかりとした酸味が感じられるとともにボリューム感もあります。ややクリーミーなニュアンスも。しっかりとした旨みのある飲みごたえのある美味しさです。

ヴィンテージ情報

2023年はColli Tortonesiにおいては特に水不足が厳しい年となりました。冬は降雨量が少なく、雪も少なかったため、より暖かい季節に備えた土壌の水分蓄積が不十分でした。続く春と夏も干ばつが続き、非常に暑く、「2017年に似た年」となりました。2017VTは良年として有名ですが、水不足が懸念された年でもありました。2017年以降、彼らは畑での作業方法を見直し、小さな工夫を実践することで、雨水をより効果的に保存し、温度の上昇によるブドウの焼けを避けることができるようになりました。このような工夫により、健康なブドウを収穫することができました。全体として収量は減少しましたが、我々が最も重視する優れた品質のブドウを得ることができました。

ピエモンテ州トルトーナの丘で主に栽培されてきた土着品種ティモラッソを愛する生産者リッチ カルロ ダニエーレ。長期のマセラシオンを行うなど、アグレッシブなティモラッソの造り手としても知られています。

リッチは、アレッサンドリア県トルトーナの丘から南へ10km、標高260mに位置するコスタヴェスコヴァートに畑とカンティーナを所有しています。オーナーのダニエーレの哲学は、自然のリズムに従うこと。3世代にわたり無農薬栽培で受け継がれてきました。ビオロジックの認証も取得。ティモラッソの第一人者であるヴァルテルマッサの影響を受け、20年前からティモラッソの栽培に着手し、醸造を行っています。

ティモラッソという品種はリースリングに通じる繊細で伸びやかな酸味があり、オイリーな風味と質感を持ちます。ティモラッソの栽培される畑では、石灰岩の石や岩がごろごろと含まれており、ティモラッソの硬質なミネラル感を生み出し、出来上がったワインからは凝縮感のある果実味と共にミネラル感が口の中で広がります。リッチでは90日間にも及ぶ長期マセラシオンを行ったティモラッソ「ジャッロ ディ コスタ」というワインもあり、長期熟成も可能なスケールの大きい仕上がりで、イタリアのテイスターの間でも評判となり注目を集めます。

ティモラッソだけでなく、赤ワインもまた素晴らしいものがあります。品種はバルべーラがメインでクロアティーナとネッビオーロが栽培、醸造されています。リッチのバルべーラは親しみやすいそのイメージを覆す風格と複雑さを感じさせるレベルの高いワインを造ります。長期熟成も行われており、しっかりと熟成したネッビオーロに負けないバルべーラも有ります。また、クロアティーナにも高いこだわりを持っており、こちらは濃密でコクが強く、やや粘性を感じる個性的な果実味が魅力。長期熟成可能なポテンシャルを感じる素晴らしいワインです。

リッチはティモラッソを中心にピエモンテの中でネッビオーロ以外の地場品種の可能性を提示する貴重な生産者の1人であり、常にチャレンジ精神を持っています。毎年そのブドウと向き合い、それまでの出来上がったワインを見て、醸造に変化を付けて味わいのさらなる向上を目指しています。