上品さと骨格を持ち合わせる、気高く洗練された味わい「ネロ ダーヴォラ的なネロ ダーヴォラ」

2018年10月、イタリアワイン最強ガイドの著者で、グルフィを日本に紹介した川頭義之氏にお話を聞きました。

「つい先日1990年代のワインをカンティーナで飲ませてもらったんですが、「ピノノワール」に近い熟成感を感じましたね。

サンジョヴェーやネッビオーロもそうですが、イタリアの土着品種の良いものは熟成すると、ピノノワールを想起させるような

イメージに近づいていく傾向にありますね。クリュが違えば味わいが全く異なります。

昔から私の受けるイメージがあって、「マッカリ」は石灰質が強い「ネッビオーロ的ネロ ダーヴォラ」、

ブファレッティは鉄分が多く「サンジョヴェーゼ的ネロ ダーヴォラ」、海に近く砂地が多い「サンロレ」は比較する品種が思いつかないので一番「ネロ ダーヴォラ的なネロ ダーヴォラ」と思います。

それぞれの畑自体はさほど離れてはいないのですが、土壌特性が全く違います。」と話してくれました。

土着品種「ネロ ダーヴォラ」と「テロワール」へのこだわり

オーナーの故ヴィト・カターニャ氏は、シチリア生まれのパリ育ち。

カターニャ氏が何よりもこだわるのは土着品種「ネロ ダーヴォラ」と「シチリアのテロワール」。

世界中で最もテロワールを巧みに表現しているブルゴーニュのワイン造りに影響を受け、

「シチリアのテロワール」を明確に表現するためにクリュの概念をシチリアでのワイン造りに導入しました。

最高のネロ ダーヴォラ産地として有名な「ヴァルディノート」に畑を持ち4つのクリュワイン造っており、

全て土着品種の「100％ネロ ダーヴォラ」を使用しています。

海岸から700ｍ、鉄分を多く含む砂質と粘土質からなる石灰質土壌「サンロレ」

4つのクリュの内の1つ「サンロレ」は海岸から700ｍの距離に位置し、最も海に近い畑です。

鉄分を多く含む砂質と粘土質からなる石灰質土壌で温暖で海風の影響を受ける為、なめらかな口当たりの中に土壌が生み出すはっきりとしたミネラルの繊細な味わいと心地良い酸を感じます。

シチリア特有の伝統的な栽培法

シチリアの暑く過酷な気候条件の中で、洗練された複雑味のあるワインを造るために、この地特有のブドウ樹の仕立て方法、アルベレッロ（株仕立て）を採用しています。この方法は容易ではなく、全ての畑仕事を手作業で丁寧に行う必要があるため手間がかかります。しかしブドウ樹にとっては自然な環境となり、灌漑や不必要に農薬の散布をする必要がありません。さらに畑には化学薬品を使用せず、酸化防止剤の二酸化硫黄の使用量も極少量に止めています。

ニュイサンジョルジュを彷彿させる慎ましさと際立った深み

ステンレス醗酵後マロラクティック醗酵を経て、225リットルのオーク樽で20～24カ月間熟成（新樽比率15％）後、約24カ月間の瓶内熟成を経てリリースされます。

なめし革、ドライトマト、カシスなどの複雑な香り。他のクリュより一風異なる質の酸、チェリー、木いちごの果実味、上品さと骨格を持ち合わせる。気高く洗練されたワイン。海から一番近いクリュでしっかりとした酸と鉄分を感じる長期熟成可能なクリュ「サンロレ」。ブルゴーニュ、ニュイサンジョルジュを彷彿させる慎ましさと際立った深みがあり最上の個性を備えています。

「グルフィ」は、設立が2000年とまだ間もない新進気鋭の生産者ですが、今やシチリアを代表する造り手として内外から熱い注目を集めています。ブルゴーニュワインをこよなく愛するオーナーのヴィト・カターニャ氏がシチリアの土地とブルゴーニュの土地が似ていることに気づき、ブルゴーニュのワイン造り、フランス的なクリュの概念が取り入れられ、量ではなく品質にこだわったワイン造りが行います。彼のワインはブドウ本来の生命力、そして各畑のテロワールを強く感じることが出来ます。

オーナーのヴィト・カターニャ氏は、シチリア生まれのパリ育ち。ブルゴーニュワインをこよなく愛するカターニャ氏ですが、もともと自身でワイン造りをしようという考えは無く、フェラーリＦ１の特殊油脂を製造する事業を行っていました。彼がまず思い立ったのは、イタリア最高といわれる「キアラモンテ・グルフィ」地域でのオリーブオイル造り。しかし、いくつもの“運命的な”出会いを重ね「ネロ・ダーヴォラ」という品種とシチリアのテロワールのもとでのワイン造りに大いなる可能性を見出していきました。

ヴィト氏が何よりもこだわる「ネロ・ダーヴォラ」という品種と「シチリアのテロワール」。グルフィが限定生産で造る4つのクリュワインはどれも「100％ネロ・ダーヴォラ」から造られたもの。にもかかわらず、それぞれのワインがはっきりとした個性を放っているのはテロワールの違いに合わせてしっかりと性格づけをしているから。ブルゴーニュを想わせるようなエレガントな口当たり、繊細なアロマ、そして土壌の性格がストレートに表現されたワイン造りを信念としています。

こだわりのエチケット

ワイン名にはすべてクリュの名前が入っています。

土着品種である「ネロダーヴォラ」のneroとクリュ名を合わせて商品名となっています。

よりクリュが目立つようにとneroの文字は小さく書かれています。

全てのワインのラベルには、美しい男女の絵がモチーフとして描かれています。

オーナーの故カターニャ氏がシチリアを代表する美しい文化を好み、シチリアで世界遺産に登録されている

ピアッツァ・アルメリーナ（Piazza Armerina）のモザイク画を自社ワインのラベルデザインにしました。

女性は「美の神、プシュケ」であり、男性は「愛の神、エロース」です。