プーリアの新世代、2022年設立の超小規模ワイナリー「ロコ」。ロゼや赤ワインにも"白ブドウ"を混ぜるという独自の醸造を行っており、プーリアらしい果実味がありながらも、ブドウのみずみずしさが感じられる軽やかさを持つワインを造っています。

オレンジリキュール、苺リキュール、ラベンダー、紅茶、マジョラムなどが溶け合ったエレガントで力強い香り。ロコのロゼワインに共通する塩気と淡い果実の奥の甘みがあり、その中でも最もエレガントな味わいです。

ステンレスタンクで発酵＆熟成。マレスコはダイレクトプレス。樹齢が高いオタッヴィア ネッロとミヌートロは6日間マセラシオン。無濾過、無清澄、ノンフィルター。So2無添加。

希少な土着品種で多様なワイン造りを行うロコ

ロコが使用する品種の中には非常に希少な品種が多くあります。「マレスコ」や「オッタヴィア ネッロ」などはまず日本では見かけない品種です。これらの品種を当主ヴィットリオは「絶滅から救うべきブドウ」と認識した上で自分のワインに取り組み、その特性を研究しています。プーリアにおいてもこれらの品種もほぼ醸造されていないため、彼はこの土地の新たな歴史を紡ぐ道を歩んでいると言えます。

ワインごとに異なる「色」が特徴的なペンキラベル

プーリア州バーリとブリンディシの間、ターラントにも近く海も近い「ヴァッレ ディトリア」にワイナリーを構える「Loco ロコ」はバーリ出身のヴィットリオ プリエーゼが2020年に開始した小規模のワイナリーです。

ワイン造りにおいては、黒ブドウに白ブドウをヴィットリオのセンスで混ぜるというアーティスティックな一面が垣間見れます。LOCOのワインはプーリアという土壌にヴィットリオの「感性による配色」が施された独自の表現が魅力のワインで、その配色がそれぞれのボトルにも施されています。

プーリアらしい果実味と軽やかさを両立させるワイン造り

所有する畑は本当に極少量の自前の畑と、自分で栽培も行う無農薬の借り畑のブドウを合わせて約1ヘクタールという小規模の畑でワインを醸造しています。

畑は標高350～420mに位置し、土壌は石灰質と鉄分やミネラルを多く含む赤粘土質が混ざった土壌です。そこで生まれるブドウには自然と南イタリアらしい豊潤な果実が備わります。そのブドウを用いて、彼は独自の醸造を行います。まず特徴的なのはロゼや赤ワインにも白ブドウを混ぜるということ。普通に醸造すれば濃厚になるプーリアのテロワールの中で、その果実感を失わずにナチュラルなワインの魅力でもある「軽やかさ」を両立させているのです。