イタリア在住の中川原まゆみ氏が2022年3月に出版された『地図でわかるDOCGとDOC イタリアワイン産地ガイド』のイタリア語版が2024年12月に出版されました！出版元は地図を得意とするジェオグラフィカ出版で、日本語版からは地図が一新されています。非常に美しい仕上がりで、ワイン産地の様々な背景を地図を眺めるだけでも実感できる構成になっています。

日本語版とほぼ内容は同じですが、地図をすべて一新（エトナの2ページは坂本雄一氏が作成）、DOCの線引き変更に対応、日本語版が出版された後に新たに取材した内容を追記するなどの変更が加えられています。また、巻末のインデックは最新のデータに更新しており、品種から引けるワインはアルファベット順に変更されています。

文章はイタリア語ですが、各州のDOCG、DOCの詳しい説明が地図と一緒に楽しめる内容で、イタリア語がわからなくても十分にイタリアワインの世界に触れることができます。あまり知られていない銘柄のワインでも地図を眺めるだけでイメージが膨らんできます。プロの方はもちろん、イタリアワイン愛好家の方にもぜひ手に取って頂ければと思います。

～発刊によせて～

「イタリアワイン産地ガイド」イタリア語版の出版について

2022年3月に、日本語版「イタリアワイン産地ガイド」を出版いたしました。このガイドは、イタリアの重要なDOCGおよびDOC呼称を選び、それぞれの産地のテロワールを地図に基づいて解説することを目的とした一冊です。ワイン愛好家や専門家から多くの支持をいただき、このたび、イタリア語版を新たに制作し、より広い読者層に届ける運びとなりました。

イタリア語版では、日本版を基盤としながらも、多くの面で進化を遂げています。最も大きな変更点は、言語の違いにとどまらず、「地図」の再構築にあります。この地図は、イタリアの地図出版で高い評価を得ているジェオグラフィカ出版が制作しました。ジェオグラフィカ出版は、食やワインに関する書籍のみならず、地図制作の専門性で知られ、イタリア国内で標準的に使用されている地図を手掛けています。その結果、地図の精度と実用性が格段に向上しました。

また、新しい地図では以下の点が特に改善されています。

・呼称の境界線を最新情報に基づいて再設定

・エトナのコントラーダ（単一畑）の地図を全面的に刷新

・バローロとバルバレスコの地図を統合し、一つの包括的な地図として再構成

さらに、日本版で地図を手掛けた坂本雄一氏が特別に2ページ分の地図を制作。彼の卓越した専門知識と彼独自の視点が新しいイタリア語版にも反映されています。

コンテンツの改良と更新

選定したDOCGとDOCのラインナップは日本版と同じですが、一部の産地では新たに取材を行い、情報をアップデートしました。巻末のインデックスも最新のデータを反映し、以下の追加要素を盛り込みました。

・ブドウ品種からワイン名を引けるアルファベット順のインデックス

・新たに追加した用語集

・地名から関連ページを簡単に探せるインデックス

これらの改訂により、イタリア語版は初心者からプロフェッショナルまで、より幅広い読者にとって実用性が高く、便利な内容となっています。

イタリアワインの新たなスタンダードを目指して

イタリア語版「イタリアワイン産地ガイド」は、ただの翻訳本にとどまらず、現地の風土や実用性を最大限に考慮して作り上げられた新たな一冊です。ワイン産地の魅力とその深い背景を、正確な地図と最新情報でお届けします。ぜひ多くの方に手に取っていただきたいと思います。