ジゾラはカステッロ ディ フォンテルートリを所有するマッツェイ家が2003年に創立した新しいワイナリーです。シチリア南東部、ネロ ダヴォラ発祥の地として知られるアヴォラから５キロ程の場所にあります。栽培兼醸造を監督しているのはカルロ フェッリーニ氏。最優秀エノロジストなどを受賞したイタリアワイン業界トップクラスのコンサルタントです。このワインは土着品種のグリッロとカタラット ビアンコをブレンドしています。ちなみにワイン名のアジーザはシチリアの方言で「美しい」意味。その言葉通りに海のニュアンスも感じられる、エレガントでドライな白ワインです。2021年は『ジェームズサックリング』90点を獲得しています。

トスカーナの名門マッツェイ家が着目したネロ ダーヴォラ種発祥の地

ジゾラの地にポテンシャルの高さに着目し2003年にワイナリーを創設したのは1435年より24代に渡ってワイン造りを行うトスカーナ、キャンティ クラシコの重鎮的存在「カステッロ ディ フォンテルートリ」を経営するマッツェイ家です。ジゾラはシチリア南東部ネロ ダーヴォラ種の発祥の地として知られるアヴォラから5キロ程のところにあり、ブドウ発祥の地に敬意を表したマッツェイ家の一番新しいワイナリーです。

シチリアの伝統的ブドウ栽培を体現

この地域はユネスコの世界遺産に登録されたヴァル ディ ノートの後期バロック様式の街並みが続く美しい地域で、所有地は50haでその内21haにてブドウ栽培しています。標高90～130mにあり、石灰質で岩の多い土壌です。1ha辺り5,500本という高植樹密度で植えられておりより凝縮した味わいのブドウを産み出しています。また、マッツェイ家はシチリアにおいてエレガントな味わいのワインを造るために、強い日差しを効率良く避けることが出来るアルベレッロ仕立てをしています。伝統的なシチリアの仕立て方法ですが、すべて手作業で行わなくてはならずコストがかかるという理由から、最近ではこの仕立て方法を行う造り手は少なくなっています。

最高のエノロジスト名門フォンテルートリのカルロ フェッリーニ

手摘み収穫されたブドウを14～16日間マセラシオンを行い、その後225ltのフレンチオークの樽（新樽率30%）にて約10ヶ月間熟成させます。他のマッツェイ家のワイナリー（カステッロ　ディ　フォンテルートリ、テヌータ　ディ　ベルグァルド）と同じく、カルロ フェッリーニ氏が栽培兼醸造を監督しています。彼はサンジョヴェーゼの苗木の研究における第一人者であり、長年キャンティ クラシコ協会の技術担当、技術責任者を務めました。2000年には『ガンベロ ロッソ』において最優秀エノロジスト、2003年イタリアソムリエ協会トップワインメーカーの称号を受賞したイタリアワイン業界トップクラスの醸造家兼コンサルタントです。

「美しい」という名のアジーザ

「アジーザ」はワイナリー名「ジゾラ」という名前の由来でもあり、シチリアの土着品種グリッロとカタラットのブドウで造られたアロマティックでフレッシュ、花や柑橘系の爽やかな香りと石灰質土壌由来の心地よいミネラル感を伴う辛口です。「アジーザ」にはシチリアの方言で美しいという意味もあり、このワインの特徴で端的に形容しています。シーフードのパスタや野菜のマリネ等と素晴らしい相性のワインです。

12世紀からワイン造りを行っていたマッツェイ家がカステッロ　ディ　フォンテルートリを取得したのは1435年。現在の当主で24代目という歴史ある造り手です。

今では有名なキャンティという名ですが、1398年にラポ・マッツェイ氏が最初に”wine of Chianti”という言葉を公の文章に記録しました。また、18世紀にはフィリッポ・マッツェイ氏が後にアメリカ大統領となるトーマス・ジェファーソン氏の依頼により、ヴァージニア州にブドウの木を植樹し、アメリカ大陸最初のブドウ畑を作るという歴史も持ちます。

ワイナリーがある場所「フォンテルートリ」は、キャンティ・クラシコのシンボルである『ガッロ・ネーロ』の由来となった、フィレンツェとシエナの領地争いの際に、双方の兵士の代表が出会い、領土境界と定められたまさにその場所。つまり、キャンティ・クラシコを語る上ではずせない、重要な場所に構えるワイナリーなのです。

マッツェイ家は1997年にトスカーナのマレンマに「テヌータ　ディ　ベルグァルド」を、2003年にはシチリアの南東部に「ジゾラ」と新しいワイナリーを2つ設立。それぞれのテロワールとその場所に適した品種の特徴を表現した、魅力的なワインを生み出しています。