サン ルスティコが所有するマラーノのクリュ「ガッツォ」のブドウで造るアマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ ガッツォ 2013が、ワイン王国126号「バローロ、アマローネ今年の冬にお勧めの40本を紹介」で掲載(されました。

村尾氏

「アマローネにしては涼しげなトーンです。ほのかなスパイス感があり、この風味に料理を合わせるなら、花山椒や柚子コショウを効かせたものがいいと思います。」

江木氏

「甘いトーンが強く、また鉄を感じるニュアンスも特徴的ですね。赤土で鉄分やマンガンを多く含む土壌で、この地域の伝統的な仕立て「ペルゴラ ヴェロネージ」でブドウを栽培。産したワインは、スパイシーで鉄分を感じさせる厳格な仕上がりになっています。豚の血や内臓を使うソーセージ「ブータン ノワール」を、この鉄分と合わせたいです。」

宮嶋氏

「しっかりした果実の濃さと風通しのいい涼しげなトーンが両立している、ユニークなワインです。あらためてアマローネの多彩さを実感できますね。食事を呼ぶタイプで、程よく焦げ目の付いた炭火焼き料理と合うのではないでしょうか。」

大樽で36ヶ月間熟成後、12ヶ月瓶内熟成

密度のある玄武岩土壌の赤土はガッツォのワインの特徴の重要な要素です。10月初旬に手摘み収穫。12月末まで貯蔵庫にて陰干し。アレーレと呼ばれる伝統的な棚、またはトレイに広げ、30％水分を蒸発させます。スロヴェニア産とアリエ産の大樽で36ヶ月間熟成。その後、瓶内熟成 約12ヶ月間。力強いガーネット色。スパイシーなニュアンスやチェリー、アーモンドなども感じる厳格で濃密な香り。濃厚で芳醇、そして滑らか。重厚感の感じられる味わいです。

「ガッツォ」の名前について

ガッツォは公式なスペルだと「GAZZO」ですが、サン ルスティコでは昔からのクラシックな表記「GASO」を採用し商標登録しています。ヴァルポリチェッラ地区では「ツォ」の発音は「S」を用いるのが伝統的ですが、近世に地名を登録する際に「イタリアらしい」という理由で行政が「ZZ」で登録をしたという経緯があり、古くからのカンティーナであるサン ルスティコではクラシックな表記を好んで用いています。

「ヴァルポリチェッラのグランクリュエリア」で1870年代からブドウ栽培を行う名門

サン ルスティコは、ヴァルポリチェッラ クラシコの産地の中でも重要なエリア、マラーノにあります。標高300メートル程度の丘陵地帯にあるマラーノは、ガルダ湖からの吹き込む風で最良のブドウが造られます。

「ヴァルポリチェッラのグランクリュエリア」といえる地で、1870年代より栽培、醸造を行う知られざる名門カンティーナです。マラーノにある教会の守護聖人サン ルスティコが名前の由来で、マラーノの地を大切にしています。

1900年代国際コンクールに金賞受賞歴のある伝統的ワイナリー

家族経営を貫き、現在はカンパニョーラ家の4代目にあたるマルコ氏とエンリコ氏の兄弟が中心となって運営しています。彼らの曾祖父ルイジ氏は創業時からマラーノの可能性を見出し、この地でワインを造り、1906年にはミラノで、1908年コペンハーゲンの国際コンクールで金賞を受賞しました。その伝統は代々受け継がれ、現在でも伝統的な手法で醸造が行われています。

創業時からいち早く優れたクリュ毎にボトリング

ヴァルポリチェッラのテロワールを早くから分析していた創業者ルイジ氏は、畑ごとにぶどうを仕込むクリュの概念を取り入れ、トップキュヴェはクリュごとに瓶詰する方法を取り入れました。

エレガントさと華やかさを兼ね備えたマラーノ地区のアマローネ

マラーノは、フマーネやネグラールと並んで「アマローネのグランクリュエリア」として知られ、スレンダーなボディに細やかなタンニン、エレガントさと華やかさを兼ね備えた特徴のワインが生産されます。その中でも、サン ルスティコが所有するマラーノのクリュ、ガッツォ（Gaso/Gazzo）は、その特徴が顕著に現れています。

急斜面の畑に広がる壮観なテラス式の畑

すり鉢型に開かれた形状の土地は一日中日照量を十分に得られ、寒暖差も高く優れ、彼らにとって大変重要な畑です。樹齢約60年以上のコルヴィーナ種をメインとした壮観なテラス式の畑は、まるでコート デュ ローヌのコート ロティやコルナスのような急斜面の畑です。仕立てはペルゴラ ヴェロネージ、土壌は赤土です。また、他のエリアよりも収量を低く抑えることで、ガッツォのワインは長期熟成に耐える、最高品質のワインになります。彼らはこのガッツォ（Gaso / Gazzo）に約5ヘクタールを所有し、ここを中心として、現在合計で約22ヘクタールを有しています。アマローネはもちろん、ヴァルポリチェッラ・クラシコのノーマル・キュヴェにもふんだんにガッツォ（Gaso / Gazzo）のブドウを使って造る彼らは、徹底して品質重視の哲学を貫く造り手です。