マルコ コリッキオ

ローマの外周道路から 5km程度海側に離れたローマ郊外で僅か1.5haの畑から年産6,000本のワインを造っている「マルコ コリッキオ」。父親の代ではブドウ畑、オリーブ畑と羊の飼育、養鶏場を営んでいましたが、ブドウは協同組合に販売していてワインは造っていませんでした。マルコは2012年に醸造学校を卒業し1.5haのブドウ畑でワインを造る事を決め、自宅兼醸造所を購入。2013年からワイン造りを開始しました。


畑はカステッリ ロマーニの麓 、パヴォーナ地域にあり、バチカンの王様の避暑地として使われた美しい自然が残る地域。ローマからナポリにかけて死火山が多く、1000年以上前の噴火による火山岩土壌になっていて、水はけが良くミネラルが豊富でした。この火山岩と相性の良い白ブドウがファランギーナとグレケット。そしてラッツィオの固有品種マルヴァジア プンティナーダです。

黒ブドウで重要なのがサンジョヴェーゼ。彼の畑のサンジョヴェーゼはクローン改良されていない野生種に近いサンジョヴェーゼです。父の出身地モリーゼに残っていた60年代から残っていた古いサンジョヴェーゼをマッサルセレクションで保存。ローマに移植しています。このサンジョヴェーゼは、繊細ですが、野性味溢れるブドウでタンニン量も多く、暑さに強いのでローマの乾燥する夏でもストレスを感じずに育っています。

ワイン造りを始める時、マルコが決めた最も重要な指針は畑でもセラーでも誠実にシンプルにワインを造るという事でした。ローマは1年を通じて雨が少なく乾燥しています。しかも水捌けの良い火山岩土壌。 乾燥していて土壌も水はけが良いのでカビが少ない。ブドウが健全に育つ環境を自然と持っているのです。父の代から使っていませんが、あらゆる農薬、除草剤、防虫剤は不使用。銅と硫黄は必要な場合、最低限使用しています。


醸造所も実にシンプルです。小型ステンレスタンク3つと トノー1つ。エナメルタンクが1つという 小規模の設備。ボトリングマシーンは手動でコルクの打栓も手動。ボトリング前の極小量の酸化防止剤以外は何も足さないシンプルな醸造。酵素、酵母、砂糖、酸、タンニン等何も加えていません。そしてノン フィルターでボトリングしています。