アポロニアという森林由来の褐色土に石灰が混じる土壌の畑で、収量を厳しく管理して収穫した完熟状態のケークフランコシュだけを使用して造られる赤ワインです。開放タンクでアルコール発酵とマロラクティック発酵を行ない、500リットルの樽で2年間熟成させています。味わいにはサワーチェリーやブラックプラムの香りにスパイスが混ざり心地よいすべらかなタンニンが全体を引き締めています。若い印象を与えますが、バランスよくまとまっています。シンプルにグリルした赤身の牛肉に合わせたい赤ワインです。コストパフォーマンスが素晴らしい、お薦めの一本です！

ハンガリーは東ヨーロッパ内でも最も長いワイン造りの歴史をもつ国のひとつ！

ショブロンは古代ローマ時代からのワイン生産地！

その歴史は紀元前のケルト人によるワイン造りから始まり、やがてローマ人へと受け継がれました。ドナウ川が流れ、「ブダの王宮」と呼ばれ世界中から観光客を集めている荘厳な歴史的建造物を誇る首都ブダペストから、西へ200kmほど行くと、オーストリアとハンガリーの国境に到着します。ショブロンの町は、まさにこの国境周辺地帯にあります。

ナポレオン戦争時代に金銭の代替となったケークフランコシュ

ショブロンで古くから栽培されている黒ブドウ品種としては、ケークフランコシュが有名です。なぜ有名かというと、なんとナポレオン戦争の当時、通貨の代用とされるほどに価値が確立していたからなのです。

そんな名醸地ショブロンで３軒のブドウ栽培農家が創設したワイナリー”ヴィンツェレール”

ヴィンツェレールは、ショブロンにある３軒のブドウ栽培農家、モルナール家、ピレル家、そしてシャージュディ家が協力して1986年に設立したワイナリーです。

醸造のイニシアティブを握るのはモルナール家のティボル氏です。ティボル氏はハンガリーの醸造学校を卒業したあと、オーストリアで数年にわたり醸造の経験をかさね、現在はヴィンツェレールの醸造の要として手腕を発揮しています。

風光明美な国立公園内に広がるブドウ畑

ハンガリーとオーストリアの国境をまたいで両国に横たわるフェルテー湖は、ハンガリー国立公園の一部となっています。その湖畔にひろがる13.5ヘクタールほどのヴィンツェレール社のブドウ畑には白ブドウのゼニットやツェルト・ヴェルティーニ、黒ブドウのツヴァイゲルト、ケークフランコシュなどを中心とするブドウ品種が栽培されています。地域の気候や土壌などの自然環境を最大限に生かした葡萄栽培を実践し、基本に忠実な醸造にこだわり土地の魅力を伝えることをワイナリーのミッションとしています。