サン ジョヴァンニ デラ サラは、土着品種のグレケットとプロカニコを主体としピノ ビアンコとヴィオニエをブレンドした、土地の個性が色濃く現れた白ワインです。「サン・ジョヴァンニ」とは、サラ城にある小さな教会に奉られているキリスト教の聖人の名に由来します。

ブドウは成熟度にこだわり、糖度が平均以上になるまで熟すのを待って収穫。良質な味わいとアロマを引き出すため、ブドウ果汁の一部は「クリオ・マセラシオン」と呼ばれる低温でのスキンコンタクトで抽出処理がなされます。その後温度管理されたステンレスタンクで発酵したのち、沈んだ澱とともに数ヵ月間タンク内で熟成。エレガンスやミネラル感を引き出します。

グラスに注ぐと、モモやバナナなどの熟したトロピカルフルーツの芳醇なアロマと、フレッシュな白い花のニュアンスが広がります。口当たりは滑らかで、熟した果実味とともに活き活きとした酸やミネラルが感じられ、バランスのとれた味わいが口の中に溢れます。柔らかくリッチな余韻が長く響く、エレガントな印象に仕上がっています。

香り高く、コクがあり、後味は爽快と3拍子揃い、幅広い食事に合う白ワイン。白身魚のムニエルや、豚肉やチキンなど白身のお肉との相性も抜群。徐々に香りが開いていくので、じっくりと味わいの変化をお楽しみいただくのもおすすめです。

14世紀から続く中世の城塞で造られる『ガンベロロッソ』常連の傑出した白ワイン

中世の面影を残すカステッロ デラ サラ城は、1300年代から近郊のオルヴィエートの街を統治してきたモナルデスキー家によって1350年に建てられた歴史のある城塞で、1940年にアンティノリ家の所有となり、『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリ常連の傑出した素晴らしい白ワインを産み出しています。

「緑のウンブリア州」森多き高地に位置する恵まれた畑

ワイナリーの位置するウンブリア州は、イタリア半島で唯一海に面していない州で、「緑のウンブリア州」と呼ばれる豊かな大地があります。夏は暑く乾燥し、冬は寒く湿気が多いという気候から、ワイン造りに適した土地として知られています。トスカーナ州の南に位置し、丘陵地帯もトスカーナより続いていることから、ワイン造りにおいてトスカーナ州と共通点が多い州でもあります。総面積500ヘクタールの霧深い山の上に位置し、標高534mの高地にあるサラ城と160ヘクタールの広大な畑が広がります。森多き高地ですが、太古の昔は海だったそうで、化石や堆積物と粘土質の多い土壌を形成しています。

「新旧が見事に融合した醸造設備」と「ワイナリー名で特許を取得した革新的コンベアー」

またワイナリーの建物自体は長い歴史を感じさせるものですが、醸造設備は時代に合わせて革新的に改良されています。特筆すべきは、「カステッロ デラ サラ」で独自開発し、ワイナリー名で特許を取得した冷蔵装置付きのベルトコンベアーです。選別されたブドウは、冷却されながら運ばれるため、ストラクチャーとアロマを保ったまま、仕込まれます。このシステムはワイナリーの白ワインの全ての醸造に使用されています。

また、2010年から一新された醸造設備はグラヴィティーシステムを採用し、醸造工程が進むほど地下に行くという、自然の法則にしたがった最新のエコシステムが整えられています。その一方で、熟成はお城の30メートル下に位置する14世紀からその形を残す地下貯蔵庫行われており、新旧が見事に融合した魅力的なワイナリーであると言えます。