エトナ山の北側、標高800mの小さな村にある「カラブレッタ」が、樹齢100年超えの希少なネレッロマスカレーゼ100％でつくる「ノンナ コンチェッタ」。美しい酸と豊富なミネラルが感じられ、他のシチリアワインとは別格の存在感を放っています。コンチェッタは、現当主マッシミリアーノのお祖母さんの名前です。

シチリア、エトナで100年以上ワイン造りを続けるカラブレッタは年間約40000本のワインを生産しています。「ノンナ コチェッタ」は年間生産本数わずか900本、エトナの標高600メートルに位置する僅か0.4ヘクタール火山性の石灰岩の地盤から産まれる希少なワインです。

また19世紀後半、ヨーロッパ一帯を襲ったフィロキセラの被害を受けなかった事もあり、ブドウの平均樹齢は100年を超えていて、貴重な古木から産まれる数少ないワインとなっています。

除梗したブドウは軽く潰されステンレスタンクに入れられ5日間のマセレーションとアルコール醗酵を行います。醗酵中の温度管理もほとんどすることない(ワインが30度以上になった場合のみ30度まで温度を下げる)そうです。圧搾後、使い古しの小樽にて4か月間醗酵の続きと熟成を行いボトリングされ、さらに14か月間瓶内で熟成させています。

樹齢の古さや低収量に由来する高い凝縮性に、標高などに由来するそれを支えるだけの偉大な酸が、このワインを他のシチリアのワインとは全く異質のものにしています。

シチリア東部の都市カターニャから北に70km、地中海最大の活火山であるエトナ山(標高3326m)の北側、標高800mの人口1万人の小さな街ランダッツォにあるカラブレッタ。

1900年ガエターノ カラブレッタは妻グラーツィアと結婚し、遺産として相続した土地を再整理するとともにランダッツォに土地を購入しました。第二次世界大戦が終わる頃、息子サルヴァトーレが両親の後を引き継ぎ、ブドウ栽培を始め、コンチェッタと結婚、新しく土地を購入し家業を拡大。1990年代に入り、サルヴァトーレの息子マッシモと孫のマッシミリアーノに受け継がれたカラブレッタ家は、1997年からそれまで桶売りしていたワインでの自家ボトリングを始めました。

エトナ山から流れ出る溶岩の質は標高によって違いがあり、土壌に大きな影響を与えるため、それぞれの畑に特性をもたらすと感じたマッシミリアーノは、様々な標高の地質の異なる畑でブドウを栽培しています。火山岩質の黒い土壌は豊富なミネラルを持ち、昼間の熱を夜まで保温してくれ、絶えず流れる乾いた風は畑に湿気をため込まず、激しい昼夜の寒暖差はブドウに偉大な酸を与えるため、エトナ山の自然環境は、彼らが行っているアルベレッロ仕立ての農薬に頼らない農法にとって理想的な場所といえます。現在は樹齢100年以上の古樹がある区画を含み、合わせて12.5ヘクタールの畑でブドウを栽培、溶岩をくり抜いたセラーでは動力を極力使わないシンプルな醸造を心掛け、年間約40000本のワインを生産しています。