ラツィオ州南部プリヴェルノの自然派「セーテ」。オットネーゼ、マルヴァジア プンティナータ、トレッビアーノ、サンジョヴェーゼで造るロゼワインです。「普通ではない」を意味するフリーキーという名の通り、白ブドウが主体でありながらロゼワインに仕上げる不思議なワインです。スモモ、スイカ、ジャワティー、ザクロや野イチゴが入り混じったユニークな香り。口当たりはソフトで淡い赤い果実味と酸、じんわりと広がる旨味のあるダシ感があります。

収穫したブドウは除梗して全部の品種を混醸

ブドウは樹齢40年のオットネーゼ50％（白）、マルヴァジア デル ラツィオ20％（白）、モスカート ビアンコ（白）5％、サンジョヴェーゼ20％（黒）、チリエジョーロ（黒）5％を使用しています。すべて除梗して、2021年はブドウを破砕する前にマセラシオン カルボニックを実施。全部の品種を混醸して造っています。マセラシオンは1週間。発酵終了と共に果皮を引きます。ノンフィルターでボトリング。SO2は使用していません。

ヴィンテージごとに品種などが異なるロゼワイン

ちなみにこのワインの品種や醸造は毎年違います。これは管理していた白ブドウ区画と赤ブドウの小区画が、2014年は雨が多く、それによって"べと病"の強い攻撃に見舞われ、とても少ない収量でした。その年以来、収穫のたびにいくつかの品種を一緒に醸造し、その年や畑の状況に応じた「フリーキー」を造るようになりました。

落ち着きがあってとても良い仕上がり

白葡萄主体ですがちゃんとロザート。少し怪しげないい感じのパープル&ピンクな外観。最近はクランベリー感が強いヴィンテージが続いてましたが、今回の2022ヴィンテージは初ヴィンテージにあった「グアバ」や「紅茶」「桃」の香りも感じられエキゾチック復活な印象。淡くてじんわりエキス感な果実味もだいぶ落ち着きがあってとても良い仕上がりになっておりました。香りに関してはどことなく日本ワインに似てるような、ラブルスカ寄りな葡萄の雰囲気がありますが逆に親やすくて好印象。味わいはプリヴェルノの土壌のミネラルを優しく楽しめます。（インポーターのトレジャーフロムネイチャー社コメントより）

ローマとナポリのちょうど中間に位置する、ラツィオ州南部プリヴェルノの自然派「セーテ」。2013年に創業した、限りなく自由で自然なワインを造る若き造り手です。レ コステで仕事経験のあるリーダーのエミリアーノと、アルカンジェロ、マルティーナの3人チームです。プリヴェルノの町と自然を心から愛し、その郷土愛、再生と発展を目指す情熱、そして共にセーテというプロジェクトに関わる3人の強い友情から生まれたワイナリーです。

レピニ山脈が近く、山に囲まれたプリヴェルノ。アマセーノ渓谷周辺にある畑は、うまく世代交代ができず、多くの畑が手つかずのままでした。中には樹齢の高い貴重な樹もあり、セーテはこの残された畑や自然などを、ワイン造りを基に再生させることを主な目的とした、農業・社会・文化的なプロジェクトとして活動しています。

彼らの醸造はSO2、酵母、砂糖、温度管理、フィルターなどは一切行いません。まずは健全なブドウを用いること。そしてカンティーナと醸造設備、移し替えやボトリングのホースなど、すべてに至って徹底的な洗浄を行う衛生管理が大切だとエミリアーノは語ります。ワインの味わいはとにかく軽やか。それでいて口の中をただ通り過ぎる軽さではなく明確な「味」と「旨味」があります。

エミリアーノはプリヴェルノを「偉大なワインは生み出せないエリアかもしれない、でもここで仕事を始められた事は逆に幸運だった」と話します。それは彼らの好きなワインが優しく軽く美味しくあることだったから。この地域のテロワールに逆らうのではなく、シンプルにプリヴェルノの「軽い」という特性を追求するワイン造りに集中しています。まさに極上の飲み心地。セーテ（SETE）＝渇き、というワイナリー名通りに飲み手を存分に潤してくれるワインです。