イタリアを象徴するスプマンテの造り手、フェッラーリが本拠地トレンティーノで手がけるテヌータ マルゴン。マルゴンでは、フェッラーリ社の象徴的キュヴェ「ペルレ」と同じシャルドネも使用しています。

標高400メートルの自社畑で造るトップキュヴェのシャルドネ「ヴィッラ マルゴン」です。華やかで芳醇な香りと洗練されたストラクチャー、ふくよかな味わいが特徴です。

フレッシュさと厚みが共存する上級シャルドネ

2025年9月、当主アレッサンドロ ルネッリ氏にお話を聞きました。

「ヴィッラ　マルゴンは、1987年に初めて造られたシャルドネ100％のワインです。ジュリオ フェッラーリがシャルドネを導入して以来、フェッラーリ社の技術をもとにスティルワインにも注力しました。トレンティーノの冷涼な気候を生かしたエレガントなスタイルが特徴です。一部をオーク樽で発酵し、ナッツやアーモンドのニュアンスと滑らかな質感を与えています。フレッシュさとリッチさが共存しており、さまざまな料理に合わせられる汎用性の高いワインです。しっかりした酸があるため、食事を引き立てます。年間生産量は約4万本です。」

2025年9月に2021ヴィンテージを試飲しました。輝きを持つ淡い麦わら色。凝縮した白い果実や柑橘、熟したリンゴなどの厚みある香りが感じられます。口当たりは柔らかく、香りと同様に熟した果実味が広がり、フレッシュでエレガントな酸が持続します。ほのかに木のニュアンスが感じられ、全体的に非常に上品です。

フェッラーリの所有畑からスティルワインに優れた区画を厳選

フェッラーリを運営するルネッリ家が手掛ける「テヌータ マルゴン」。そんなテヌータ マルゴンの生産の歴史は、アレッサンドロ氏の父、二代目に当たるマウロ氏が、心酔するブルゴーニュのようなスティルワインができるのではないかと考えたことがきっかけで始まります。もともとフェッラーリ社のスプマンテ用の畑を「この畑はスティルに向いている」という理由でスティルワイン用の畑に変え、熟成したブドウを9月中旬に収穫しています。フェッラーリで培ったブドウ栽培ノウハウと醸造技術を駆使して高品質なスティルワインの生産を行っています。

テヌータ マルゴンは、イタリアNo.1の瓶内二次発酵のスプマンテの造り手として知られるフェッラーリを所有するルネッリ家がトレンティーノでスティルワインを造るワイナリーです。フェッラーリとして長年造り続けているスパークリングワインの原材料であるシャルドネとピノネロから、ブルゴーニュのようなスティルワインができるのではないかと考え、最初は自家用のワイン造りから始まりました。

その後、周囲の知人たちからも評判となり、1987年に販売用のワイン造りが始まります。大きな寒暖差や標高の高い畑という利を生かし、山岳部で行う独特のワイン造りは、シャルドネとピノ ネロの非常に印象的かつ洗練されたアロマを明確に表現しています。

ルネッリ家が所有する1500年代に建てられた歴史ある建物「ヴィッラ マルゴン」の周囲の広がる畑のブドウを使っています。ヴィッラマルゴンは16世紀当時はカトリック教会の重要な行事にも使われていた建物で、現在も当時の面影が残っています。ワイナリーのシンボルは3つの葉を示し、トレンティーノの基礎となったローマ、バイエルン、オーストリア・ハンガリーの3つの文化を表現しています。