『ワイナート』101号で飲んでおくべきシラーとして選出されました！

2021年冬発売の『ワイナート』赤ワイン特集の飲んでおくべきワイン シラー編でアルドヴィオラのグアリーニ プルス 2016がイタリア代表として選出されました！

「標高400～500mの山中に位置し、石灰の石がゴロゴロする畑では、ビオディナミ農法を実施。完熟感あふれながらも酸と鉱物感による硬質なストラクチャーが整い、北ローヌを彷彿させる堂々たる姿！ドライハーブ風味が効き、ワイルドながら、ジューシーでみずみずしく、シチリアとは思えないエレガントさだ。ブルーベリーリキュール、赤シソ塩漬け、カカオ、土、鉱物、ゲイミーな香り。」とコメントを頂いています！

畑の中で最上級のシラーのみを使用して造られる

彼の主要葡萄品種であるシラーは、アルカモから南に下った山間にあるカラタフィーミの奥にある「フェウド グリアーニ」にあります。グアリーニの収穫したシラーの中で、最高品質なものをコチネッラ、さらに状態の良かった最上級の葡萄をグアリーニプルスに使っています。除梗をしないでトノーで自然発酵し、15日間マセラシオン。9ヶ月間熟成させます。So2不使用。上級版というだけあり非常に完成度が高く、フェウド グアリーニの畑のポテンシャルの高さを体感できます。

熟した果実味と樽熟成によるまろやかさが魅力

カシスを中心とした練れたベリーの香りの中にバルサミコとスミレ感。ほのかに樹木やメントールのニュアンスが感じられます。樽熟成により落ち着いた雰囲気を持ち、甘いスパイス感も楽しめます。密度が高く、上質でたっぷりの果実味を味わえます。タンニンはアフターにも強く残りますが、甘い果実味とのバランスが良く飲みづらさはありません。樽熟成のまろやかさと練れた果実味に素直においしいと感じられる良い意味でのわかりやすさが魅力です。

圧倒的な熱量を放つワインを生み出すシチリアの鬼才

シチリアのアルカモにワイナリーを構え、ビオディナミも取り入れた自然農法の葡萄栽培を行っているアルド ヴィオラ。現地のワインの記事の中では、"自然派ワイン界のパブロ・ピカソ"と呼ぶ人もいるくらい個性むき出しの生産者です。アルドという男と話して一番に印象に残ったワードは"エネルギー"という言葉です。ワインや畑の話しをする時は目を思いっきり開いて強い口調で話します。周りから見ると相当変わっている雰囲気が彼から滲み出ています。ブドウ栽培、ワイン造りにおける彼の考えや行動は、宗教的で彼は殉教者のような行動と発言を行います。自らは畑のエネルギーを如何にしてワインに落とし込むのか、それを最大のテーマにしています。"仕事"では無く"使命"なのだと語っていました。

アルド ヴィオラと初めて会った時は少し難しい人物という印象でした。ですが、彼の考えをしっかりと聞いて打ち解けると優しく、頼りになる人でした。現在イタリアではシチリアの自然ワインでアルドの名前は最初の方で上げられる事が多く、テイスターから評価をされ、自然なワインの若手生産者も彼の栽培を見学に行くなど支持を受けています。

「ワイナリーはビジネスでは無く、それこそが生きる理由」

彼が行っているワイナリーはビジネスでは無く、それこそが生きる理由だと断言します。出来上がるワインにも並々ならぬ愛情を持っています。そんな彼の造るワインには確かなエネルギーを感じます。畑やブドウから来る部分と、ワイン造りに人生を捧げているアルドからのエネルギー、その両方がワインに見事に乗り移っているようです。

シラーもグリッロも飲み人を引っ張るような勢いのあるアグレッシブなワインで、その中に強い熱量が感じられ飲む人を引き込むようです。確かにエネルギーの強さを感じるワインなのですが、どこか穏やかで整ったような印象があり、決して難解なワインではありません。説得力のあるワインなのです。

今まで日本では認知されていなかった生産者ですが、その実力は本物。ぜひ一度そのエネルギーに満ちたワインを味わってみてください。