コスやオッキピンティと同世代「テーレ ディ ジュルフォ」

シチリアのワインといえば、エトナ山麓やパレルモ東のマルサラ地域のイメージが強いと思いますが今エトナは様々なワイナリーが進出をしていて乱立状態です。そのような中でシチリア島南東部、ラグーサの北西部に広がるヴィットーリアが、今後大いに注目されると思います。この地区のナチュラルな蔵元といえば、コスやオキピンティが先駆者ですが、同時代に本格的に自然農法でコツコツと畑を育ててきたのが、このジュルフォです。

シチリア主要品種「フラッパート」

シチリアには様々な地場品種がありネロ ダヴォラ、ネレッロ マスカレーゼなどは日本でもよく知られた葡萄品種ですがフラッパートはあまり知られていません。。シチリア唯一のDOCGであるチェラスオーロ ディ ヴィットリにネロ ダーヴォラと一緒にブレンドして使われますがフラッパート100％で造るワインもかなり奥深くて味わい深いワインです。

美しい酸味とミネラルに支えられた果実味

「テーレ ディ ジョルフォ」のフラッパートは1998年植樹された古木です。野イチゴや取れたてのブラッドオレンジを感じさせるフレッシュな香り、ジューシーで軽快な口当たりながら密度の詰まった果実味があります。過度のアルコール感も感じません。熟れたタンニンと酸味が織り成す程良い骨格があり冷涼感を漂わせ、美しい酸味とミネラルが果実味を支えていて引き締まった味わいが病みつきになるフラッパートです。

コス、オッキピンティで注目されるヴィットリア地区

シチリア島南東部ラグーザ北西部に広がるヴィットーリア。コス、オッキピンティなど自然派の先駆者的存在で注目のエリアです。彼らと同じ時期に本格的自然農法で葡萄を育ててきたのがジュルフォです。現当主アキッレがオーナーになった2005年、約15年の年月を経て新たな自然派ワインが誕生しました。

アキッレは医者と醸造家の二つの顔を持つ

アキッレは医者と醸造家の二つの顔を持ち父は現役で畑仕事をこなすバイタリティ。その他4人で醸造所を切り盛りしています。

ブドウを六角形に植えていく古代ギリシャの植樹法

セットンチェ（7本の意味）と呼ばれる古代ギリシャに起源をもつ植樹法を採用しています。ブドウの株を六角形とその中心に植える事で、水分を均等に吸い上げ、どの株も影を造らず、最高の日当たりが得られる方法です。これは将来的により暑くなるであろう気候の変化を考えての事です。

畑がほぼ全てを語ってくれる

ジュルフォの畑には古代の貝の化石が出土し太古のミネラルが息づいています。あらゆる下草が生えていてマメ科の窒素が十分に生まれている様子が分かるそうです。敷地面積はトータルで90ha、循環農業のための池や林、オリーブや他の農作物を含んでいます。葡萄畑は34haで20種の品種を栽培しています。

ジュルフォのワイン造り

2002年蔵元をスタートし、2005年から自社でボトリング開始しました。

白はマロラクティック発酵を回避。フレッシュな柑橘系の清々しさが引き立つ仕上がりです。赤はフラッパートのみマロラクティック発酵をしていません。彼らのフラッパートは単なる華やかさだけでなくとても透きとおり透明感にあふれ凛とした酸味が感じられます。