濃密な果実味の滑らかな味わい

ブルネッロ ディ モンタルチーノを世界に広めた最大の功労者バンフィが造る最上級のスーパータスカン「エクセルサス」です。生産は優良年のみ。熟したプラムとブルーベリー、スパイスやタバコ、杉とオーク等の複雑な香り。飲むと、樽熟成による優れた骨格を持つボディですが、荒さやブレは無く、実に緻密な構造でタンニンと酸も濃密な果実味と絶妙なバランスがあります。

バンフィのスーパータスカンシリーズ

カベルネ ソーヴィニヨン主体で造られるトップキュヴェ

2024年10月、バンフィ社の宮島義明さんにお話を聞きました。

「バンフィのスーパータスカン、エクセルサスです。2018年ヴィンテージのセパージュはカベルネ ソーヴィニヨン85％、メルロー15％。ファーストヴィンテージは1993年で、2004年頃まではカベルネ ソーヴィニヨンの比率がメルローを上回っていました。しかし、それ以降のヴィンテージではメルローが多く、カベルネ ソーヴィニヨンが減少。現在はリリース当初の比率に戻り、カベルネ ソーヴィニヨンが高い構成となっています。今後は、地球温暖化が叫ばれる昨今において将来性の高いカベルネ フランがブレンドされることも見込んでいます」

2024年10月にエクセルサス2017ヴィンテージを試飲しました。深みのあるガーネット色。ドライフルーツや革、落ち葉などといった複雑で奥行きのある香り。フレッシュさも感じます。上品な果実やドライフルーツなどの味わいが、存在感のあるタンニンと見事に溶け合っています。

バンフィ社が誇るステンレスと木樽を別々に組み合わせたホライゾン発酵槽

2つのブドウは別々に醸造されます。バンフィ社が独自開発した、ステンレスと木樽を別々に組み合わせたホライゾン発酵槽でメルロー8日間、カベルネソーヴィニョン18日間、それぞれ別々にマセラシオンします。アルコール発酵が終わると、樽でマロラクティック発酵と熟成後に初めてブレンドされます。それから8ヶ月間の熟成を経てリリースされます。

ワインガイド評価

『ジェームズサックリング』93点（2017ヴィンテージ）

ブラックチェリー、ベリー類、サンダルウッドのアロマ。フローラル。ミディアムからフルボディで、しっかりとした洗練されたタンニンとまだ噛み応えがある。しかし時間が経てば柔らかくなりまとまってくる。このヴィンテージにしては驚くほどフレッシュでしっかりとした味わいを感じる。2023年以降がお勧め（2021年12月）

1978年創業、ブルネッロ ディ モンタルチーノを世界に広めた最大手「バンフィ」。創業者のイタリア系アメリカ人マリアーニ兄弟が、高品質なワインを生産する世界的規模のワイナリーを目指して誕生させました。ワインビジネスという概念が存在しなかった時代に、世界市場の開拓に成功。現在ではブルネッロ全体の約10％を生産するなど、モンタルチーノ随一の規模と品質を誇る造り手として君臨しています。モンタルチーノ以外にも、ボルゲリやキャンティ、ピエモンテでもワインを生産。モンタルチーノ内だけで2800ヘクタールの土地を所有しています。

土壌のタイプは58種類にのぼり、それぞれの土地に合ったブドウを栽培しています。最高のブルネッロを造るためにミラノ大学、ピサ大学と共同で最適のサンジョヴェーゼクローンを選出。設立以来、土壌や栽培方法の研究はもちろん、醸造方法の探求にも余念がなく、独自の発酵タンクの開発や樽材の選定にいたるまで改良を続け品質向上を続けています。近年は、象徴的な畑「ポッジョ アッレ ムーラ」を筆頭に、単一畑シリーズによって畑の個性を表現する「テロワール重視」のスタイルへと進化。また、これまで主流だった小樽から中樽、大樽醸造に移行し、エレガンスを追求する造りにも注力しています。