イタリアの公的認証機関BIOSの有機認証を獲得し、SO2無添加のワイン造りにも力を入れている今注目の生産者「ロ ゼルボーネ」が有機栽培のコルテーゼ100%で造る、独特の旨みとほろ苦さとミネラル香るアーシーでスパイシーなオレンジワインです。

SO2は一切添加しません

畑は南東向きの標高130～170mの斜面に広がり、土壌は火山性土壌と砂質土壌の混成土壌です。ブドウは全て手摘みで収穫。選果後プレスし、果皮と共にステンレスタンクで天然酵母で2～3週間かけてじっくりと自然発酵し、 果皮の色素やタンニンを十分に抽出します。発酵終了後ワインはなるべく空気に触れないよう、別のタンク一杯に移され、何度かバトナージュ(撹拌)を繰り返しながら翌年春までシュール リー(澱と共に)で熟成させます。フレッシュなブドウの風味を生かす為、あえて樽は用いません。そして春の終わりには瓶詰めされ、半地下のセラーで瓶のまま熟成させます。SO2は一切添加しません。

余韻にミネラル感、独特のうまみ、ほろ苦さ

ほのかな土やスパイスの香りに続いて、さくらんぼや洋梨、レモンや蜂蜜の香りが広がります。口当たりはフレッシュで生き生きとしたミディアムボディの味わい。りんごやレーズン、洋梨などのフレーバーも感じられ、余韻にはミネラル感、独特のうまみ、ほろ苦さが広がります。シーフード料理とよく合います。

リグーリアとの州境に近いピエモンテの南東端、小高い丘の上にある小さな村、ロッカ・グリマルダ。2003年、ファビオ・ソマッツィがこの村に30年程前からある古いぶどう畑とセラーのある建物を購入した時、「ロ・ゼルボーネ」の歴史は始まりました。

ファビオが手に入れた約3ヘクタールの畑は南東向きの標高130～170メートルの斜面に広がり、土壌は火山性土壌と砂質土壌の混成土壌という、ロッカ･グリマルダの中でも恵まれた環境にあり、ここに大きな可能性を感じた彼はブドウをすべて有機栽培にする決心をします。彼は2007年から畑の有機栽培への転換を開始し、3年の転換期間を経て2010年にイタリアの公的認証機関BIOSの有機認証を獲得しました。

有機認証取得後、ファビオはSO2無添加のワイン造りという、新たな取り組みを始めます。2010年以降、ゼルボーネ･ロッソなど一部のワインでは醸造から瓶詰めまでのいずれの段階でもSO2を一切添加していません。発酵時に若干のSO2が自然に生成されるため、含有量ゼロという訳には行きませんが、それでも1リットル当たりの含有量20ミリグラム余りと、非常に低い数値になっています。ファビオは近い将来、すべてのワインをSO2無添加にする予定です。

「ロ・ゼルボーネ」はイタリアでも無名の小さなワイナリーですが、ネットなどでそのワインの良さが広まり、今ではフランスやアメリカにも彼らのワインの熱狂的なファンを持ち、輸出も行なっている将来が楽しみな生産者です。