バローロで最も理想的なカンティーナと言われ、造り手たちからも羨まれる1928年創業の老舗カヴァロット。ブリッコ ボスキスはバローロで歴史上初めて有機栽培が導入された、カヴァロット単独所有クリュ。丘の頂上にあり日当たりが抜群で水はけの良い好立地です。酸とタンニンのバランスに優れた気品あるアロマで、しっかりとした骨格を持つ古典的スタイルのバローロ。2018年は『ワインエンスージアスト』95点、『ワインアドヴォケイト』94点を獲得しています。

自然に任せるブドウ栽培

ブリッコ ボスキスはカスティリオーネ ファレットを代表する畑で周辺の造り手達も羨む好立地にあります。凝縮感ある高級ワインを生産するために一般的に最もよく行われるグリーンハーベスト（摘果）すら行なわず、『天の恵みである果実を切り捨てることに抵抗を感じる。よって、ほとんど摘果を行わない』とブドウ栽培に対してカヴァロットの真摯な姿勢が感じられます。

伝統的醸造法のカヴァロット

収穫されたブドウはすみやかに発酵槽に受け入れられ、伝統的なスロヴェニアン オークの大樽で36ヶ月間ゆっくりと熟成されます。自然農法をによるブドウの奥深い味わいが古典的醸造法によって見事に表現されています。

「バローロのスペシャリスト」が語る単独所畑「ブリッコ ボスキス」

バローロボーイズを興したマルクディグラツィア氏の元片腕として世界にバローロを紹介してきたピエモンテ在住の「バローロのスペシャリスト」ドメニコ ディ ルッチョ氏と2011ヴィンテージを試飲しました。「カヴァロットは小規模の生産者で伝統的な造り方を引き継いでいます。カスティリオーネ ファレットに位置し、近くにはフォンタナフレッダが構えています。特徴的な畑「ブリッコ ボスキス」を単独所有しています。ラ モッラのエリオ アルターレとは違うエレガントさがあります。繊細で酸も綺麗。カヴァロットは少ない生産量ですが、リゼルヴァも所有しています。日当たりの良いクリュ「サンジュゼッペ」がそれにあたります。周囲にはシャルドネ、ドルチェット、フレイザ、バルベーラが植えられています。

」と教えて下さいました。

カヴァロットを代表する畑「ブリッコ ボスキス」

ブリッコ ボスキスの畑のみの葡萄を使っています。しっかりとした骨格を持つ古典的スタイルのバローロです。ダークチェリーやバラにスパイスのニュアンスが入り混じる複雑かつ奥深い香りです。グラスを回すと、美しいミネラルと繊細なスパイスのニュアンスがふわりと立ち上ります。飲むと、秘めたスケールがとても大きく秘めた魅力を感じる重厚な果実感に美しい酸とミネラルが綺麗に共存する、パワーとエレガンスを兼ね備えた高貴な味わいのバローロです。余韻には一流のワインが共通して持つ長く続く深い余韻が感じられます。今飲んでもとてつもない凄みを感じるバローロですが、熟成によりさらに魅惑的な味わいに変化していきます。

ワインガイド評価

『ワインエンスージアスト』95点（2018ヴィンテージ）

ヴィンテージのフレッシュさとフィネスを表現したこのワインは、バラの花びら、森のベリー、樟脳、下草などのクラシックな品種のアロマがある。香りを反映した、生き生きとした集中力のある味わいは、熟したレッドチェリー、砕いたラズベリー、ワイルドミント、スターアニスが、張りのある洗練されたタンニンとともに広がる。明るい酸がバランスを保っている。このワインを楽しむのに何年も待つ必要はないが、少なくともあと10年以上は熟成するだろう。2024年から2033年がベスト。（2022年9月）

『ワインアドヴォケイト』94点（2018ヴィンテージ）

カヴァロットの2018 バローロ ブリッコ ボスキス（有機認証ワイン）は、カスティリオーネ ファレットで最も美しいとされる7.3ヘクタールの畑から収穫された果実で、愛らしい表情を見せている。森のベリー、カシス、スパイスの香りが漂う、流線型で引き締まったワインだ。張りがあり、シルキーで、涼しい夜と暖かい昼によって形作られた果実味を表現している。ブリッコ ボスキスは、常に特別なシャープさと集中力をもたらしている。飲み頃2024～2040年。（2022年6月）

2000年代に入り一気にその素晴らしい個性を復活させたカヴァロット一族は1928年から5世代に渡ってカンティーナを運営しています。

古典派バローロと言えば必ず名前が挙がる名手であり、地元では偏屈者として非常に有名なジュゼッペ氏が現在の当主となっています。カンティーナはブリッコ・ボスキスの丘の上部に位置し、全ての畑はカヴァロットのカンティーナを取り囲むように位置している。

ワインとしてのバランスに優れながらも力強い酒質を誇り、優しく広がりのあるアフターの中にネッビオーロらしいしっかりとした骨格を感じさせてくれるカスティリオーネ ファレットのバローロ。アルフィオとジュゼッペ兄弟は、先代から続く古典的なワイン造りを継承しています。その厳格な姿勢は畑でも実践されています。

収穫量は1ヘクタールあたり32から38ヘクトリットルにまで制限されます。（ネッビオーロ ダルバでさえ1ヘクタールあたり40ヘクトリットル以下）化学農薬はほとんど使われません。銅、硫黄に由来するもののみ若干量使用されている。除草剤も一切使用しません。葡萄の木々の間には自然に自生する雑草をある程度まで生やしたままにしておき、ある一定の高さまで育った段階で手作業で刈っていき、そのまま畑を耕すことなく放置しておくという不耕起栽培を実践しています。

醸造所は近年大きく変更されました。収穫した葡萄をすみやかに発酵槽に受け入れられるようにスペースが大きくなったことと、発酵槽が置かれた部屋と熟成庫も少し広がりました。

セラー内の仕事は先代とほぼ変りはなく伝統的なスロヴェニアン オークでゆっくりと熟成されます。全ての作業がスムーズに行われるようになったこと、自然農法を導入し時間を経たことで葡萄の質が確実に上ったこと、セラー内が清潔に保たれていることが近年の垢抜けた味わいに寄与しているように思われます。