セラーの多い谷という意味のヴァルポリチェッラ。その生産の中心地として知られるネグラールにあるトッマーゾ ブッソーラ。アマローネの新星として、クインタレッリやダル フォルノ ロマーノに拮抗しうる最有力候補との呼び声も高く人気を集めています。ブドウ栽培では植物のバランスよく育てるために、科学的な除草剤や殺虫剤は一切使用していません。出来上がったアマローネは圧倒的な凝縮感やスケールの大きさを感じさせます。また良質年にしかワインをリリースしない姿勢を貫いています。

ブレンド用のコルヴィノーネ種を多く栽培

現在所有する葡萄畑は13haでネグラールとサン ペレットに位置します。土壌はいずれもトアールと呼ばれる火山岩土壌。大きく分けて3つの葡萄畑を所有しています。特筆すべき事は低収量の為に他の生産者が栽培しなくなった、ブレンド用に育てているコルヴィノーネ種を多く栽培している事で、彼のワインのスケール感と骨太な骨格を産み出す大きな要因になっています。

トノーと大樽で42ヶ月熟成

このワインはコルヴィーナ/コルビノーネ65%、ロンディネッラ25%、モリナーラ10%をブレンドしています。発酵はステンレスを使用。 熟成は全体の55％をトノー、40％を大樽で42ヶ月行っています。これにより食事と合わせやすいアマローネとして仕上がっています。

しっかりとした果実味の濃縮された味わい

輝きのある深みのあるガーネット色。しっかりとした粘性を持ちます。干したイチジクや干しプラムの香りが主体。プラムやスグリのなどのジャムや黒砂糖などの香りも。コーヒー豆やヴァニラ、やなめし皮や麝香の香りも感じます。しっかりとした果実味の濃縮された味わいと高いアルコール感が口一杯に広がります。まろやかながら十分な酸味と、甘くしっかりしたタンニンを持ち、微かに後味にかすかな苦味を感じる、長い余韻を楽しめます。

トマーゾ・ブッソーラの話は1977に始まります。トマーゾ・ブッソーラは伯父のジュゼッペ氏の小さなカンティーナで働いていましたが、ひそかなワインへの情熱はあふれんばかりになっていました。

1983年に転機が訪れ伯父との共同経営となり、ヴァルポリチェッラの故郷であるネグラールで創業果たします。ワインの品質を常に向上させるべく、アマローネやレチョートを運命づける大切な作業であるブドウの選別も一人で行いました、つまり、その年の醸造は一人で行ったのです。その選択が正しかったことを証明するようにその後のワインガイドで高い評価を得ることができ、92年には、共同経営から現当主のトッマーゾの所有となり、新しいカンティーナを建設。同時にバリックを導入しました。

過度に畑が痩せた土地になるのを防ぐために、様々な有機の堆肥を適切な時期に与えています。

TBと銘打った各ワインは当初より同社のワインの中でも、よりストラクチャーの強さとスタイリッシュな味わいを体感できるレンジです。凝縮度の高い果実味は厳しい収量制限と畑での多くの作業の賜物といえます。

2008年4月に長らく工事を続けていたカンティーナの拡張工事も終了し、よりスムーズな作業が行えるようになりました。急速に頭角を現わし瞬く間にこの地のトップ生産者の一人に上り詰めた彼らですが、良質年しかワインをリリースしないその姿勢は貫かれています。また植物のバランスよく育てるために、科学的な除草剤や殺虫剤は一切使用していません。