2020年にウルグアイの若手のワインメーカー二人が設立した自然派ワイナリー「プロジェクト ナッカル」の「シンプル ペット ナット ブランコ」です。有機栽培のミュスカオットネルを100％使用。一次発酵が終わる前にボトリング。残った糖分で発酵を進めて、6ヶ月瓶内で熟成しています。ジャスミンのような甘い花や柑橘系のアロマ。軽やかな泡立ちとフレッシュな酸、澱由来の旨味を感じる果実が心地よく続くペット ナット（弱発泡性ワイン）です。

畑はウルグアイのカネロネス県にある粘土質の土壌。ブドウは認証は取れていませんがビオロジックの方式で栽培した、ミュスカ オトネルを100％使用。コンクリートタンクで発酵させ一次発酵が終わる前にボトリング。残った糖分で発酵を進めて、6ヶ月瓶内熟成させています。ブドウの残糖のみで行うので、非常にきめ細かい泡でフレッシュな香りのワインが出来上がります。ノンドサージュの仕上げでボトリング。キャップはコルクではなく王冠の仕様となっています。

2024年5月に「シンプル ペット ナット ブランコ2022」を試飲しました。ミュスカの華やかなアロマの中に花や草木のニュアンス。飲むとフレッシュな酸が心地よい辛口の味わいですが旨みもあり、程よい溌溂さを感じます。甘やかな香りとすっきりとした味わいのハーモニーが楽しめるペットナットです。

プロジェクト ナッカルは2020年にウルグアイの若手のワインメーカー、サンティアゴ デガスペリ氏と ニコラス モンフォルテ氏二人が設立させた自然派ワイナリー。二人はワイン学を大学で 共に学びながら、別々のワイナリーで経験を積んでいましたが、 ナチュラルなワイン造りを実践した想いを 持ち続け、小さなプロジェクトを始めました。

有機栽培 (認証なし)されたブドウのみ を使用して自分達が本当に作りたいワインを造っています。当初は生産量がたった3000本のみでしたが、現在は3万本まで生産量を伸ばして、ブラジルやアメリカ、イギリスなど多数の国で輸出を成を収め、高い評価を得ています。 若手ワインメーカーとしてウルグアイ国内のみならず、世界でも注目を集めるコンビです。

プロジェクト ナッカルの畑では、認証取得中のサステナブルなブドウ栽培を実践しています。また、100％有機栽培への移行も進めており、数年前には耕作放棄地を買い戻すなど、地域の環境にも貢献できる責任のある農業を遂行していきたいと考えています。また、同社ではカネロネスのテロワールを最大限に表現したワインを世に送り出したいと考えており、雨の多いウルグアイの特性が出るよう、「糖度がやや低く、フレッシュでストラクチャーを感じる」ブドウ栽培を心がけています。

ワインメイキングは非常にシンプルで野生酵母のみで発酵。清澄剤やフィルターを使わず、微量の亜硫酸のみを使用。雨の多いウルグアイではブドウの糖度が高くならないのを逆手にとった低アルコールでフレッシュなスタイルの自然派ワインが特徴となっています。

プロジェクト名前にもある「ナッカル」はギリシャ神話に登場するアトランティスの守護者であるナッカルの戦士から由来しており、 彼らは物事の成り行きに任せることの力を信じていました。 このフィロソフィー が、ウルグアイの自然派、最小限の介入によるワインのみを生産するワイナリー、プロジェクト ナッカルの礎となっているのです。