世界的に評価の高いモンテプルチアーノを生み出すアブルッツォ屈指の造り手マシャレッリ

マシャレッリが輩出する上級ライン「マリナ ツヴェティッチ」のモンテプルチアーノ ダブルッツォです。品種の素晴らしい可能性が見事に表現された赤ワインで、どのヴィンテージも安定した高い評価を得ており、世界中から常に注目を集めるワインです。

濃密さとフレッシュな酸が融合する柔らかな上級モンテプルチアーノ

2025年11月、ミリアム リー マシャレッリ氏にお話を聞きました。

「キエーティ内の4つの畑のモンテプルチアーノを使用して造るモンテプルチアーノ ダブルッツォ リゼルヴァです。すべて別々に醸造してから、どうブレンドするかを決めます。柔らかくエレガントで、タンニンはなめらかで甘みが感じられます。」

2025年11月に2021ヴィンテージを試飲しました。深みのあるルビー色。プルーンや熟した黒い果実の濃密な香りがあり、フレッシュ感も感じられます。口に含むとフレッシュな酸と果実味が広がり、酸とタンニンが調和して持続します。

ワールドクラスのワインと同等に渡り合える数少ない生産者

イタリアワインにおける2大ワイン、バローロとブルネッロに肩を並べる可能性を秘めているのが、このマシャレッリの「マリナ ツヴェティッチ モンテプルチアーノ」です。マシャレッリは、モンテプルチアーノという多産型の地場品種で、ワールドクラスのワインと渡り合える数少ない生産者の一つです。

1981年、アブルッツォ州サンマルティーノで創業

マシャレッリは、ジャンニ マシャレッリ氏が祖父から受け継いだアブルッツォ州サンマルティーノの土地で、1981年に設立したワイナリーです。初めてワインづくりに取り組んだのも同じ1981年。祖父から受け継いだ樹齢50年以上のトレッビアーノが植わる2.5ヘクタールの畑から始まったマシャレッリは、現在では約300ヘクタールの畑に拡大。デイリーに楽しめるベーシックライン、上級キュヴェ「マリナ ツヴェティッチ」シリーズ、そしてトップキュヴェ「ヴィッラ ジェンマ」まで、いずれも高い評価を得て国内外で支持されています。

妻マリナに受け継がれたジャンニの強い意志

残念ながらジャンニ氏は2008年にこの世を去りましたが、その遺志は妻マリナ ツヴェティッチ氏が継承しました。今も醸造所と熟成庫を守り続け、あらゆる逆風にも屈しなかったジャンニ氏の意志と独創性あふれる精神を継ぎながら、マシャレッリはさらに発展を続けています。

アブルッツォ4県すべてに畑を所有。土地ごとの個性を映すワイン造り

マシャレッリの大きな特徴は、アブルッツォの4県すべてに畑を所有していることです。各地の中から最適な土地を調査し取得しては研究を重ね、その土壌と気候を最大限に生かす醸造方法を選択しています。同じモンテプルチアーノであっても、全く異なるキャラクターのワインを生み出すという考え方は、ブルゴーニュの「クリュ」概念とよく似ています。

「人」「テロワール」「ブドウ」

3つの要素が調和した最高峰「ヴィッラ ジェンマ」

フラッグシップの「ヴィッラ ジェンマ」は、ジャンニ氏が祖父から受け継いだサンマルティーノの単一畑から生まれます。1ヘクタールあたり1万本という高密度植栽のモンテプルチアーノから、圧倒的な濃密さを備えた偉大なワインが造られます。「人」「テロワール」「ブドウ」という、ワイン造りの基礎となる3つの要素が完璧なバランスで結実したヴィッラ ジェンマは、モンテプルチアーノ ダブルッツォの最高峰と言って過言ではありません。これまでに13回のトレビッキエリを受賞（2012年時点）し、「イタリアを変えた50本」にも選ばれた、まさにイタリアを代表する赤ワインです。