クリュ バローロの先駆者がオルトレポ パヴェーゼで造るクリュ ピノ ネーロ

単一畑バローロ先駆け「ヴィエッティ」で活躍したコルデーロ家が手掛けるオルトレポ パヴェーゼの新生「コルデーロ サン ジョルジョ」のクリュ ピノ ネーロ「SG' 67」です。ワイナリーが所有する最も古い1967年に植樹した樹齢50年超の古木のブドウを使用。ワイン名はサンジョルジョの頭文字と植樹年に由来しています。

滑らかな心地よいタンニンの非常にエレガントな味わい

香りは芳醇で複雑。ハーブや赤い果実の香りに、ほのかな香辛料の香りが続きます。滑らかな心地よいタンニン、包み込まれるような新鮮さがあり、非常にエレガントな味わい。優れたストラクチャーと持続性があります。ドライで繊細なフィニッシュ。生ハムや中熟成チーズ、ラビオリやミートソースのパスタ、脂の乗った魚、赤身の肉やジビエと相性抜群です。

複雑味とエレガンスが染みわたる1967年植樹の古樹で造るクリュ ピノ ネーロ

2023年8月、当主のフランチェスコ コルデーロ氏にお話を聞きました。

「1967年植樹の、所有畑の中で最も古い畑で造るクリュ ピノ ネーロです。生産本数は3000本。年によって異なりますが、マセラシオンは12～15日間（2019年は15日間、2020年は12日間）。バリックに10ヶ月間、大樽で10ヶ月間熟成させます。その後、1年間瓶内熟成してリリースします。2019年はタンニンが現れているヴィンテージですね。25年ほどは長期熟成可能だと思いますが、今すぐ飲んでも十分お楽しみいただけます。個人的には、抜栓後、大きめのグラスを揺らしながらゆっくり香りが開いていく様を感じ取ることがとても好きです」

2023年8月にSG' 67 ピノ ネーロ2019ヴィンテージを試飲しました。ルビー色。華やかさが際立っていて、花やジャミーなニュアンスを持つ綺麗でエレガントな香りです。奥行きのある複雑性もあります。口に含むと、エレガントかつじわじわと複雑な風味が広がっていきます。タンニンがとても綺麗で、その上に果実と花の要素が乗っかり美しい余韻を演出しています。

1967年に植樹された樹齢50年超の古木のブドウを使用

畑はサンタ ジュレッタ地区にあるコルデーロが所有する最も古いもので、南西向きです。1967年に植樹された樹齢50年超の古木のブドウを使用。8月末から9月初旬にかけて収穫。ブドウは箱詰めされ、手作業で選別しています。ブドウは除梗しますが、実を丸ごと残すために破砕はしていません。低温での発酵前マセラシオンの後に、温度管理されたステンレスタンクで発酵。毎日短時間のポンピング オーバーを行っています。発酵が終わると、バリックで澱引きとマロラクティック発酵を実施。約10ヶ月フレンチオークのバリックで熟成、さらに大樽で10ヶ月熟成を行っています。ボトリング後に約10ヶ月の瓶熟成を経て出荷しています。

コルデーロ サン ジョルジョはピエモンテ州クーネオ県、カスティリオーネ ファッレットをルーツとしています。コルデーロ家の兄弟、フランチェスコ、ロレンツォ、カテリーナは、ランゲにおける家族経営のワイナリーでの経験と、様々な国での研修を経て、2019年、ワイナリーを立ち上げました。情熱を表現し、長年培ってきた技術を試し、豊富な経験を活かせる場所として選んだのは、ロンバルディア州パヴィア県、オルトレポ パヴェーゼを産出する地区。サンタ ジュレッタの丘、海抜約250mに位置する彼らの所有地は22haあり、うち20haがブドウ畑、2haが樹齢百年を超す美しいオークの森です。

社名にある「サン ジョルジョ」はキリスト教の聖人の一人で、ドラゴンに立ち向かい、王女と民衆を恐怖から解放した、という伝説があります。コルデーロは新たにオルトレポ パヴェーゼとピノ ネーロという未知の世界に挑むことから、ラベルもドラゴンに挑むサン ジョルジョをモチーフにしました。既にワイン アドヴォケイト誌等で高評価を得るなど、若いながらも才腕を振るう実力派ワイナリーです。